最近持ち歩いてゐるかばん
年明け早々、かばんを買つてしまつた。
ル・ボナーのミセスである。
一昨年の七月、はじめて神戸にあるル・ボナーに行つた。
例年七月は大阪松竹座に行く。
そこで、神戸に足をのばしてみたのだつた。
先客がゐて、店主ご夫婦と歓談中であつた。
それをいいことに、店内をうろうろしてしまつた。
ミセスは、入口からよく見えるあたりにあつた。壁にかけられてゐたと記憶する。
以前から、ル・ボナーのblogで見てゐたかばんだつた。
写真で見るかぎり、とても女らしいかばんである。
やつがれの趣味には合はない。
さう思つてゐた。
そもそも、ル・ボナーのかばんで一番最初に気になつたのはパパスだつた。
ミセスとは相容れない。
さう思ひこんでゐた。
実物は、そんなやつがれの思ひこみを吹き飛ばしてしまつた。
いい。
実にいい。
さらに、店内をうろうろしてゐたやつがれ一行の面倒を見てくれたハミさんの見せてくだすつたミセスに衝撃を受けた。
ハミさんが使つてゐるミセスだといふ。
こちらに写真が出てゐる。新品と並んでゐるので比べてみてほしい。
いいだらう?
使ひこむとこんな風になるのだ。
いい。
いいぢやあないか。
この日は、しかし、買はずに帰つた。
店内にあつたのはライムグリーンのミセスだつた。
シュランケンカーフのライムグリーンは好きな色である。残心の長財布を愛用してゐるし、アンバランスもライムグリーンだ。
でもなー、普段使ひのかばんとしては、なー、うーん。
以来、「好きな色が出たら買はう」と思つてゐた。
あれからだいぶたつてしまつた。
今月二日に初芝居に行つた帰り、ふらりと立ち寄つたc.o.u.に、ミセスがあつた。
店の外からガラス越しに見た感じだと、チョコかな、とも思へるやうな色だつた。
ル・ボナーのblogからいくと、あれはおそらくバイオレットだ。
それで、しばらくあれこれ考へて、ある日芝居に行く前にc.o.u.に行つて、ミセスを入手した。
それ以来、雨の予報の日以外は毎日のやうに持ち歩いてゐる。
なんとなく持ちやすいのだ。
それなりに大きいかばんなのに、持つてゐるときはその大きさを感じない。脇の下におさまるからだらう。
大きいので、中身もたくさん入る。
このかばんはル・ボナーのかばんによくある「たくさん入るけどあまり入れない方がいい」かばんだ。
ここがなんとももどかしいんだよなあ。
入るのである。入るんだけど、めいつぱい入れるとやうすよく見えない。
普段はなるべくものは入れないやうにして、いざといふときは仕方がない、入れてゐる。
めいつぱいものを入れた常体でも、肩にかけてゐるとさほど重さは感じない。
そこもいい。
これも脇の下にぴつたりとおさまるからだと思ふ。
中にナス管がついてゐるのもいいし、内にはファスナー付、外にはまち無しのポケットがあるのもいい。
ポメラ100も入るし、云ふことない。
新年早々、いい買物をした。
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