2013年12月の読書メーター
2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1853ページ
ナイス数:3ナイス
一刀両断: 剣豪小説傑作選 (新潮文庫)の感想
八篇の短編小説集。どこまでが史実でどこまでが創作なのか、読みつつうつかりだまされてゐるのかもしれない。そんな感じが好きだなあ。小説は八篇だが、描かれてゐる剣豪はもつと多い。たとへば「霞の半兵衛」では桜井半兵衛を主役に据ゑつつ、荒木又右衛門や柳生十兵衛、柳生連也斎をも描いてゐる。ほかの七篇も同様だ。「読書はためになるもの」と思ふてゐる向きにはおすすめしない。
読了日:12月4日 著者:柴田錬三郎
外国語を身につけるための日本語レッスンの感想
著者はそんなつもりで書いたわけではあるまいが、言語技術を身につけると、日本では「気の利かない人」と思はれる懸念がある。同様に「理屈つぽい人」と云はれるやうになることも考へられる。言語技術を身につけるといふことは、「気の利かない人」「理屈つぽい人」を許容できる世の中にならねばならない、といふことだ。そこが一番むづかしい。主語をはつきりさせるのはよいことだけれども、なんでも翻訳調がいいと勘違ひして「〜であるところの」とかいふ妙ちきりんな文章を量産する人が増えないことを祈る。
読了日:12月4日 著者:三森ゆりか
正史 三国志〈3〉魏書 3 (ちくま学芸文庫)の感想
書き難きことを書く陳寿の意はまつたく汲めずに読む。でもさうなつてくると、書けない司馬懿・司馬師・司馬昭がなにをしたのかとかが気になる。そして行間を読み過ぎると三国志演義になるのだらう。なんちて。 程昱とか結構早いうちから曹操に仕へてゐるわりには長寿を全うしてゐることを考へると相当「ワル」だつたんだらうし、郭嘉の品行の悪さつてどんだけだらう、とかも考へてしまふ。あと王粲の碁盤の再現はちよつと碁の打てる人ならふつーにできるといつも思ふ。
読了日:12月10日 著者:陳寿,裴松之
韓非子 (第2冊) (岩波文庫)の感想
おんなじ話が何度も出てくる。覚えられるから有り難い、といふべきか。いまとなつては説林とかの説話をたとへ話にもちゐるのはむづかしい気がするなあ。内容のせゐもあるかもしれないけど、比喩の使ひ方なんかは一冊目の方が華麗だつたやうに思ふ。
読了日:12月16日 著者:韓非,金谷治
ずる―嘘とごまかしの行動経済学の感想
かういふのも行動経済学なのかー。国によつて結果がそんなに変はらないといふのはおもしろい。我慢し続けると我慢に対する抵抗力が減る、といはれてみると確かにそのとほりかも。多分、人はさうやつて食餌制限に挫折していくのだらう。ちよつと違ふかもしれないが、「見つかつたときに「運が悪かつた」と思はれるやうな法律は悪法」といふ法学の教師の話を思ひ出した。
読了日:12月31日 著者:ダンアリエリー
読書メーター
« 飯田市川本喜八郎人形美術館 漢末の群雄と連環の計 | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館 漢末の群雄と連環の計 後篇 »
« 飯田市川本喜八郎人形美術館 漢末の群雄と連環の計 | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館 漢末の群雄と連環の計 後篇 »
Comments