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Monday, 02 December 2013

長時間編むために

先日「考える鉛筆」といふ本を読んだ。
なかに、「筆記具によつて筆圧を変へる」といふやうな一文が出てきた。
先んじて著者につぶやきでもおなじやうな発言を見てゐた。

うーん、それはチトむづかしい。

文房具関連のエントリで何度か書いてゐるとほり、やつがれは筆圧が低い。
パイロットの筆圧検査では常人の半分以下とのお墨付きである。
あのパイロットの筆圧鑑定機のうへで字を書くといふことは、相当に緊張するものだ。
A4サイズの書類箱を横長において、その上部ほぼ真ん中あたりに名詞大の感圧部分がある。その範囲内に字を書かねばならないといふ圧力に加へて、目の前には鑑定結果を見てくれる人もゐる。
なんだか緊張する場面だ。
そんなところで書いたら大半の人は普段より力が入つてしまふのではあるまいか。

もとい。
いづれにしても、やつがれは筆圧が低い。
カーボン用紙つきの荷札票はほとんど敵である。
そもそもボールペンといふ筆記具をうまく使ふことができない。
だいたい筆圧が低いのは、たくさん書くためだらう。
なにをそんなに書くことがある、と我ながら思ふけれど、たぶん、さういふことなのだ。
たくさん書く人間は、筆圧が低い。
もちろん、たくさん書く人間にも筆圧の高い人はいくらもゐる。以前もちよつと書いた草森紳一は筆圧が高くて書痙になつて、筆で書くやうになつた、といふ話だ。
つまり、たくさん書く人間は、筆圧の低い方向に流れるのだ。
筆で筆圧をかけて書いても意味はない。
あれは極力余分な力を抜いて書くやうにできてゐる。

おなじやうに、たくさん編む人間は、編み棒を握る力が弱い。あるいは、弱い方向に流れる。
さうだらう、力を入れて編んでゐたらすぐに疲れてしまふ。最悪、腱鞘炎を起こすことになる。
昨今、ものすごくきついゲージで編む作品の人気が高い。
それ以前から、「最近のあみものの本に掲載されてゐる作品は手のきつい人が編んでゐるやうだ。なかなかゲージがあはない」などといふ話をたびたび耳にしてゐた。

きちきちに編んでも楽しくないのにな。
これはなにもやつがれひとりの意見ではない。
Elizabeth Zimmermannも云つてゐることである。
EZは、なにかとその発言に癖があつて、すべてがすべて「うんさうだね」といふ内容ではない。
しかし、この、「きついゲージで編んでなにが楽しい」といふ意見には諸手をあげて賛成する。

だが、これも小日向京風にいふと、「編む作品によつて手のきつさを変へるのは当然」といふことになるのだらう。
それは理想だ。
でも、たくさん編むためには、あるていど手の力は抜いた方がいい。
その方が楽に長く編めるし、手も痛めにくいからだ。

といふよりは、やつがれはさういふ風にしか編めないのである。

そんなわけで、ラグラン袖のリブタートルネックセーターは、増やし目の部分に入つた。増やし目は半分終はつたところだ。でもこれからどんどん目が増えていくので、編む量としてはまだ半分以下だなあ。
このセーター、前々から薄々察知してはゐたのだが、やつぱり小さい気がする。
編む前にはゲージを取つて、きちんと計算し、試し算までした。
それでも、心なしか小さい。
ニ目ゴム編みだから、伸びるんだけどね。
もともと伸びゲージ取つてるしね。

家でしか着ない気もするし、多少ぴつちりでも、まあよしとするかなあ。
それとも以前書いたやうに、ぴつたりの人を探して押しつけることにするか。
さて。

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