今年入手した萬年筆 パイロットCocoon
今年購入した萬年筆は八本。
多分。
うちわけは、パイロットのCocoon、おなじくパイロットのエリート95S、ナガサワオリジナルの透明軸が二本、大橋堂の細字、中屋万年筆の中軟、そしてパイロットのカクノが二本である。
……数へるんぢやなかつたな。
数へるまへは、「今年は四本くらゐだつたかなぁ」と思つてゐた。
もうペンとか増やしちやいけないのよ。ほんたうよ。
買ふ都度、ここにもちよこちよこ記してきた。
主にインキはなにを入れるか、とかだけど。
そんなわけで、これまで使つてきてどうかといふ棚卸しを少々書いておかうと思ふ。
パイロットのCocoonは、丸善のポイントカードでたまりにたまつたポイントをはじめてお買ひ物券と引き替へて入手したものだ。
なんだか忘れ難い。
細字を買つた。
インキはPen and messageオリジナルの山野草。紫色のインキである。
紫色といふと、パイロットの色彩雫にある紫式部も気になつてゐた。Cocoonを入手したときに、紫式部も一緒に買はうか、としばし悩んだ。
紫式部は山野草にくらべるとすこし明るい感じの紫である。
でも、ペンの中で熟成しちやつたら似たやうな色になるんだよなー。
しばし悩んで、結局、もともと手元にあつた山野草を入れた。
書き心地は大変よい。
カクノの感想を書いたときに、「カクノは鉛筆の延長線上にある書き味で、Cocoonは萬年筆の書き味だ」といふやうなことを書いた。
Cocoonくらゐの価格帯だと、鉛筆の延長線上の書き味、といふか、鉛筆の代はりに使ふやうなペンが多い。
あ、やつがれは、ね。
LAMYのサファリがさうだ。
透明軸の極細にヤンセンインクのシェイクスピアを入れて使つてゐる。このペンのかたい書き味はどこか鉛筆を思はせるところがある。はじめて手にしたMoleskineにはこのペンで書き込むことが多かつた。当時、Moleskineの紙はいまのやうににぢんだり裏ぬけしたりしなかつたのである。
先日ちよこつと書いたパイロットのプレラは、そこいくと「萬年筆」だ。使ふときも、「ああ、萬年筆だなあ」と思つて使つてゐる。
鉛筆つぽいかさうでないかは、どうやら書き味の硬さで決めてしまふのらしい。
Cocoonはプレラによく似てゐる気がする。プレラより萬年筆らしく感じるのは、持つたときに重たいのも理由のひとつかと思ふ。
キャップをさして書くと、重心がかなりうしろに寄るのもまた好みである。
また、その外見ゆゑもあらう。
細長い流線型のメタリックな外観は、細長い樽型のプレラよりもよりペンらしく見えるやうに思ふ。
四月に購入して以来、日々使つてゐる。
幕間にノートを取りだして書き込むときに使ふのもCocoonが多いやうに思ふ。
出先でノートを出して机のないところで書く場合、これまでは鉛筆つぽいペンを選びがちだつた。
さつと取り出せてぱつと書ける手持ちのペンがさうだつたからかもしれない。
Cocoonを手に入れてからはCocoonで書くことが多いなあ。
これつておそらく江戸時代の人が外で立つたまま巻紙を取り出して筆でさらさら書きつけるといふのと似てゐるんぢやあるまいか。
下から巻紙を押さへてゐるのはおそらく親指一本だ。それだけの支へで、筆ならさらさらと書けてしまふ。
鉛筆だとかうはいかない。
現時点では、筆に近い書き味の萬年筆が一番さういふ用途に向く。
まあ、無論、幕間に書きつけるときだつて、かばんなりなんなりを下敷きにしてはゐるのだがね。
とても気に入つてゐるので、もう一本くらゐほしいと思ふてここまできてしまつた。
先にも書いたとほり、これ以上ペンを増やしてもゐられない。
この一本を大事に使つていくかな。
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