今年入手した萬年筆 パイロットエリート95S
六月にパイロット エリート95Sを入手した。
とにかく、インキフローがいい。
極細・細字・中字とあるうち、細字を購入したけれども、中字といつてもとほると思ふ。
それくらゐ、いい。
ゆゑに使ひづらい。
なぜといつて、かういふちいさなペンは、ちよこちよこ細かい文字を書くときに用ゐることが多いからだ。
もつといふと、手帳などに細々と書き入れる用途を考へて購入したからだ。
インキフローがいいことがわかつたなら、用途を変へればいいのである。
それができないのはやつがれの不明である。
しかし。
たとへば、NBAを見てゐると、チームのエースが怪我で欠けると、途端に勝てなくなつたりすることがある。
そして、エースが復帰する前にヘッドコーチ(監督、ですな)が交代する。
そんなことを何度か見てきた。
監督の手持には、おそらく、エースありきのカードしかないのだらう。
苟も監督なのだから、ほかにもいろいろ策はあるのだらうが、人間の頭といふのはさうかんたんに切り替はるものではないのだ。
その一方で、ちいさいペンで太い文字を書くといふのはいいものだ、といふ気もする。
ペリカンのスーベレーンの一番ちいさいペンをM300といふ。
フルハルターでは「ヒュプシュ」と呼んでゐる。
hübschとはドイツ語で「可愛い」といふ意味だ。
この可愛いペンに、極太ペンをつけて使ふのが洒落てゐる、と、フルハルターのサイトにはある。
なるほど。さうかもしれんなあ。
どうもやつがれにはさういふ遊び心が足りない。
そんなわけで、買つたときについて来たカートリッジのうち、いまでもまだ二本目を使つてゐる。
K.ITOYA 1904でこのペンを買つたとき、黒・ブルーブラック・青のカートリッジそれぞれ一本づつと一緒にお手入れセットがついてきた、といふ話は以前書いた。
最初に黒を試してた、といふ話も書いた。
何度か書いてゐるやうに、黒いインキを入れたペンは自然と使はなくなる。
エリート95Sに入れたときは、意識して使ふやうにしてゐた。
黒いインキのペンも一本くらゐは持つてゐるべきだ。
さうも思ふ。
さうも思ひつつ、しばらく使はないうちにインキがかたまりさうな気がするんだよなあ。
かういふときこそスリップシール機構のペンの出番なのかもしれない。
細字が中字になるくらゐインキフローがいいといふことは、過剰なのかもしれない。
しかし、それで困るといふことはない。
困るとしたら、もともと想定してゐた用途に使へない、といふことくらゐだ。
むしろ、インキフローが渋いよりはまし、とも考へられる。
なんとか頭を切り替へて使つていきたい。
なんといつても、こいつも「hübsch」なペンだからね。
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