2013年11月の読書メーター
2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2137ページ
ナイス数:12ナイス
韓非子 (第1冊) (岩波文庫)の感想
たとへがうまい。よくもこんなに対句のやうなたとへが次から次へと出てくるなと感心することしきり。難言とか、プレゼンテーションに役立つんぢやあるまいか。
読了日:11月11日 著者:韓非,金谷治
トヨタ生産方式の感想
「口(くち)」の字がことごとく「ロ(ろ)」になつてゐて、それだけでこんなに読みづらいなんて、と驚愕することしきり。「下請けいぢめの手段ではない」とか「首切りの手段ではない」とか書いてあると、「ああ、実際はさうだつたんだらうな」とか思つてしまふ。豊田佐吉や豊田喜一郎への感謝の辞は各所に見られるが、斬新な方式についてきてくれた社員への謝辞・讃辞はおどろくほど少ない。「ああ、さういふことか」と思はれても致し方あるまいと思ふが如何に。
読了日:11月13日 著者:大野耐一
Twenty Years' Crisis, 1919-1939: An Introduction to the Studyof International Relationsの感想
最近岩波文庫で見かけたので、改めて読みなほしてみた。ふたつの大戦間の歴史には興味があつて、学校に通つてゐた時分にもいろいろ探してみたけれど、当時はこれと斉藤孝の本くらゐしかそれらしき題名の本は見つけられなかつたのだつた。懐かしい。当時は冒頭の理想主義と現実主義とのちがひをおもしろく読んだものだつた。いま読んでもおもしろい。岩波文庫の新訳も近々読むつもり。
読了日:11月20日 著者:EdwardH.Carr
歴史とは何か (岩波新書)の感想
英語では「科学(science、か)」といふ時「歴史」は含まないが、他のヨーロッパ言語では含むといふ。本当だらうか。日本語でも含まないと思ふな。「歴史(学)」を科学と呼ぶためには、歴史家のことをまづ知つてどのやうな偏見を抱いてゐるのか弁へてからその著作を読め、といふことなのだらう。他の社会科学と呼ばれてゐる学問が「科学」たるために抱へてゐる問題とおなじだ。
読了日:11月24日 著者:E.H.カー
大学生・社会人のための言語技術トレーニングの感想
言語技術の必要性はわかるけれど、日本人はその前に自分の意見や権利を主張してもいいといふことを身につけねばならない。「問答ゲーム」はゲームのうちはいいけれど、普段の生活でこれをやる人がゐたとしたら、それは相当ヤな奴だ。理屈つぽい人間は嫌はれる。さうでない社会を作らないかぎり、言語技術は広まらない。著者は言語技術の授業を導入するやう働きかけてゐるさうだが、大学教授たちが首を縦に振らないといふ。多分、大学教授たちにはわかつてゐるのだ。その前に越えねばならない障碍のあることを。
読了日:11月26日 著者:三森ゆりか
戦闘技術の歴史4 ナポレオンの時代編の感想
モスクワ遠征は「費留」だつたのだなあ。
読了日:11月26日 著者:ロバート・B・ブルース,イアン・ディッキー,ケヴィン・キーリー,マイケル・F・パヴコヴィック,フレデリック・C・シュネイ
地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))の感想
冒頭、地政学を「わかりやすく」紹介する対談風の章の偏見度合ひが著しく、その後の記述も信じる気にならなくなつてしまふ。巻末に本邦における地政学の書籍を紹介してゐるが、内容の善し悪しは読者にまかせる、とか書いてあるのもなんだか悪意を感じるんだよなあ。端々にさういふ箇所があるのが惜しまれる。
読了日:11月28日 著者:曽村保信
考える鉛筆の感想
人によつていろいろなんだなあ。自分は文字を書くための鉛筆はできるだけ先をとがらせたい。それで字を書く時はコクヨのノートの一枚下にかための下敷きを敷きたい。それでも筆圧は平均よりだいぶ低い。筆記具として鉛筆や萬年筆を選ぶのは、多分に筆圧が低いせゐだ。色鉛筆やボールペンを使ふときは下敷きは無用。ずつとさう思つてきたけれど、この本に書かれてゐるやうな書き方はかたつぱしから試してみたい。問題は、筆圧の低い人間はなかなか筆圧を上げられない、といふことだけれども。疲れちやふからね。
読了日:11月29日 著者:小日向京
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