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Tuesday, 12 November 2013

編みて時にこれを習ふ

過去に編んだものをいろいろと引つぱりだしてきた。
突然冷えたからである。
まさかこんなに突然寒くなるとはなあ。
金曜日に書いたとほり、かぎ針編みの三角ショールはすでに使つてゐた。ほかには指なし手袋を家と外とでそれぞれ使つたりしてゐる。
今朝は、去年編んだメビウス編みのちいさなショールが加はつた。
こぶりなショールはshawletteなどと呼ぶやうだ。「ショーレット」といふことばは本邦では定着してゐないやうに思ふ。

メビウス編みはもう六年ほどやつてゐて、飽きない。
まだ編むつもりでゐる。
メビウス編みのなにがいいのかについては、過去にも何度か書いた。
輪に編んだマフラーなりショールなりがいいのは、端がないことだ。
端がないと、ほどけない。
満員電車の中でひつぱられてほどけて、人とマフラーとがはなればなれになつてしまふといふ心配がない。
また輪なので結ぶ必要がない。
すなはちマフラーで首を絞められる心配がなくなる。
実に実用的である。

見てくれや流行よりも実用第一。
さう思つてゐる。

輪に編んだショールといふか、いはゆる「スヌード」といふものが、ここ二年ほどはやつた。
たぶん今年はもう身につける人もほとんどゐまい。
やつがれは身につける。
流行する前から使つてゐたし、家にたくさんあるからだ。

すでにそんなにたくさん編んでゐるのなら、もう編む必要はないではないか。
さういふ向きもあらう。

今日出してきたメビウス編みのショールは、これまで編んできたメビウス編みもののなかでは、一番出来がいい。
扇形の模様(Fan and featherなどといふやうである)を真ん中から分散減目側と分散増目側とにわけて編んだ。ゆゑに、かぶり方を工夫すれば、襟元がしまるやうにかぶれる。逆にかぶつてもいい。
メビウス編みはもともと躰に沿ふといふのが長所だ。そこに、真ん中から減目側と増目側にわけて編むと、片方がせまくなつてもう片方が広くなる。自然と末広がりの形にできあがる。
かぶるときにどちらが広くてどちらがせまいか確認が必要ではあるものの、これがすこぶる使ひやすい。

だつたらこれで完成形でいいではないか。
さにあらず。
このショールの問題は、裏表があることだ。
もちろん、編むときにわざと裏表ができるやうに考へたのだから、文句はない。
文句はないが、実際に使つてみると、やはりめんどくさいのである。
上下があつて裏表がある、といふのは、メビウス編みのよさを半減させてしまふ。
Fan and featherだつたらガーター編みの地にしてもよかつたのだ。
愚かなり、やつがれ。

このショールはリッチモアのバカラファインで編んだ。暗い紫とtealのやうな色の段染め糸である。
ほかの色やほかの糸で編んだらどうだらうか。
さういふ妄想もひろがる。

ひとつ編むと、課題がでてくる。問題点が見えてくる。
よつてまた次を編む。
次を編むとまた課題や問題がわかつてくる。
そしてさらに次を編む。

といふ具合に、メビウス編みをつづけてきてしまつた。
たぶん、今後もしばらくはつづけるだらう。

問題は、現在ラグラン袖のリブタートルネックセーターにかかりきりで、そんな余裕はない、といふことか。

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