栞作つた
草森紳一の「李賀 垂翅の客」を読んでゐる。
今年の四月、出版されてすぐに丸の内の丸善に飛んで行つて購入した。
「購入した」と書いたが、それまでたまつてゐた丸善ポイントでお買ひ物券を払ひ出して使つた。
発売を待ちかねて買つたわりには、前半部分をちびちびと読んでゐる。
休みの日にのんびりと読んでゐるからだ。
時折、山川の世界史資料集をのぞいてみたり、李長吉歌詩集にあたつたり、寄り道しながら読んでゐる。
おそらく、今年中には読み終はらないだらう。
「李賀 垂翅の客」は大部である。
しかし、栞はついてゐない。
すこし悩んで、タティングレースで栞を作つた。
四月のことである。
_Tatting with Visual Patterns_に出てゐるBlack Magicを、Lisbeth #40のScottish Thistleといふ糸で作つた。淡い紫と淡い緑と白との段染め糸である。
本を開くとこの栞がはさまつてゐる。
なんとなくいい。
ここにも何度か「普段栞は使はない」と書いてきた。
それはいまでもあまり変はらない。
栞がついてゐれば使ふ。ついてゐなければ使はない。
最近文庫本はWildSwansのカヴァをかけてゐる。カヴァには栞がついてゐるのでそれを使ふ。
そんな感じかな。
でもまあ、栞もそんなに悪くない。
李賀の本を読みながら、そんな風に思つたりもする。
昨日、以前買つたあみものの本などを片づけてゐたら、栞がはさんであつた。
写真のページと編み方のページとにそれぞれ栞があつた。
さうさう、かういふ使ひ方もいいんだよね。
普段は滅多にそんなことはしない。最初のうちは目的のページがなかなか見つからずにいらいらするが、編み進めるうちにだんだんそのページが開きやすくなつてくる。最後にはすつかり開き癖がついてゐる。
いらいらするくらゐだつたら、最初から栞をはさんでおけばいいものを。
ほかの本も見てみたら、タティングレースの本にも栞のはさまつてゐるものがあつた。
本人は、そんなことをしたことなどすつかり忘れてゐた。
さて、先週ここに、「このままだとタティングレースの仕上げ方を忘れてしまふのではあるまいか」といふ不安を書いた。
そんなわけで、この三連休の一日、録画した番組を消化しながらこんなものを作つてみた。
Jane's tatted bookmark、とでも呼ぶべきだらうか。
この栞もこれまで何度も作つてきた。
あつさりしてゐてまつすぐな感じが気に入つてゐる。
シャトルはニ個使ふ。
上下で裏表がわかれるので、裏になる方は、ダブルスティッチの表目と裏目との順番を入れ替へて作る。さうすると、最後が表目になる。これが次につなげるときにすこぶるやうすが悪いので、最後だけ裏目を追加する。裏になる方だけ半目多いことになるが、そのていどのことは気にならない。
作る前に、糸を選ぶのに苦労をした。
糸はLisbeth #20のVineyard Harvestを使つてゐる。普段はあまり使はないやうな色だ。
現在、タティングレースでは、蔓日々草色の糸を使つてゐる。はじめたまま放置してゐるビーズ入りの方は黒だ。
編んでゐるセーターも黒。
手持ちの糸には、なぜか生成系といふかベージュ系と、青の濃淡が多い。
その日は、生成とか青とかいふ気分ではなかつた。
それであれこれひつくり返して探し出したのがこの色合ひだ。
それなりに秋めいてゐるのではないか、と思ふ。
あちこちひつくり返してみて気がついたけれど、近頃オリムパスやダルマのレース糸をほとんど買つてゐない。
そんなものかなあ。
DMCはもともとそんなに多くなかつた。
Lisbethの試しに買つてみた糸がごろごろしてゐる。
そんな感じ。
とりあへず、ひとつ栞を仕上げたので、またしばらくは蔓日々草色の糸で作つてゐるドイリーといふかなんといふかに注力するつもりでゐる。
あ、「メキッキオヤのアクセサリー シャトルで作る花レース」も買ふた。
オヤ糸ばかり使つてゐるのだらうと思ふてゐたら、さにあらず、結構DMCとかLisbethの糸も多い。
が、それはまた別の話。
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