愚行はつづく
ラグラン袖のタートルネックリブセーターは、すこしづつ進んではゐる。
先週は、間違へてしまつた箇所をほどいては目を拾つてなほした、といふ話を書いた。
その後、増やし目の段は終はつて、両袖も休め、胴体だけを編んでゐる。しばらくは六段に一目づつ(すなはち四目)減らしていくことになる。
袖を別糸に取つたら、がんがん進むやうになるだらうと思つてゐた。
見通しが甘かつたらしい。
袖を休めても胴体だけで四百目弱あつた。
そら進まないわな。
それでも袖部分も一緒に編んでゐたころよりはまし、と思ふやうにしてゐる。
この三連休は思はぬ外出と、思はぬ不調とがあつて、あみものもあまり進んでゐない。
不調の原因は睡眠不足である。
先週は平日は一日として六時間以上眠れた日がなかつた。
そのうへ木曜日には三時間台しか眠れてゐない。
絶不調だつた。
これまで、さんざん(主に仕事の都合で)夜更かしを余儀なくされてきて、もう一生分の夜更かしをしてしまつたのだ。
さう思つてゐる。
今後は、睡眠不足は許されない。
残念ながら、さういふことらしい。
問題は、平日帰宅後に編みはじめると、なかなか止まらないといふことだな。
とくに興が乗るとまづい。
パピーのグランメリノをクロバー匠の輪針で編んでゐる。
どうやらこの組み合はせはあまりよくないやうだ。
編み目を移動させるのにかなり苦労してゐる。
すべりがよくないのだ。
何度か針をかへやうかと思つたけれど、そのままきてゐる。
だから興の乗ることはなからう、と思ふと、さうでもないのがふしぎなところだ。
それにしても、黒といふのはいい色だ。
最近、セーターを編みながら、つくづくさう思ふ。
グランメリノといふ毛糸がいいといふのもあるのかもしれない。
なんとも、色気のあるいい色だと思ふ。
これまで、あまり黒い糸でなにかを編むといふことはなかつたやうに思ふ。
かぎ針編みのレースのショールとか、細いマフラーのやうなものとかくらゐかなあ。
タティングレースでも栞くらゐしか作つてないな。
目につらいから、といふのはたしかにある。
あとレースに黒を使ふと、妙にフォーマルな雰囲気が出てしまふから、といふのもある。
でもまあ、理由の大半は、「買へばいいぢやん」だからかもしれないな。
黒いセーターなどそこらへんに売られてゐる。
あらためて編む必要が感じられない。
たたとたた夫さんのやうに、Debbie Blissのベビーキャッシュメリノといふちよつと特殊な糸を使ふのならともかく、グランメリノていどでは、編むより買つた方が早いし安い。
さうも思ふ。
編み針との相性の悪さとあはせて考へてみると、自分のやつてゐることは愚かしいことだ。
だからこそ、つづけてゐられる。
そんな気がする秋のゆふぐれ。
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