覚えきれないキャラクター
録画機が勝手に録画してくれるので、「おじゃる丸」と「忍たま乱太郎」、「それいけ! アンパンマン(以下、「アンパンマン」)」とを見てゐる。
「忍たま乱太郎」だけはなぜだがたまにしか録画しない。一週間に一度とか二週間に一度とか、さういふ気まぐれな感じで録画してゐる。
現在の録画機で一番最初に予約録画したのは「連続人形活劇 新・三銃士(以下、「三銃士」)」だつた。
しばらくしたら、録画機は「アンパンマン」を勝手に録画するやうになつた。
おそらく、「三銃士」に戸田恵子と山寺宏一とが出てゐたからであらう。
その後、録画機は「ドラゴンボール改」を録画するやうになる。これは「アンパンマン」に出てゐる中尾隆聖と鶴ひろみとのせゐなのではないかと思ふのだが、ここではそれはおく。
「おじゃる丸」も一時は予約録画してゐた。そのうち録画を消化できなくなつて、やめた。
やめてしばらくしたら、録画機が勝手に録画するやうになつた。
「忍たま乱太郎」は、「おじゃる丸」からの類推で録画機が「録画しておくか」と思つてするやうになつたのだらう。
ほかにも、録画機が勝手に録画してくれるものはいろいろある。
結局見続けてゐるのは、この三つ、かな。ほかにも「心に刻む風景」とかあるけれど。
「おじゃる丸」、「忍たま乱太郎」、「アンパンマン」に共通することはなんだらうか。
アニメ?
お子様向け?
長寿番組?
そのとほりだが、この三番組に共通してゐて、やつがれの心をぐつとわしづかみにする共通点が、ひとつある。
それは、「登場人物が多い」といふことだ。
とにかく、やたらと登場人物が多い。
「アンパンマン」などは、登場人物が一番多いといふのでギネスブックに載つた、といふ話を聞くほどだ。
基本的な登場人物はきまつてゐる。
「おじゃる丸」なら主人公のおじゃる丸に電ボ、かずまに子鬼のトリオといつたところか。
「忍たま乱太郎」なら主人公の乱太郎にきり丸、シンベヱにヘムヘム、かなあ。学園長・山田先生・土井先生も入れてもいいかもしれない。
「アンパンマン」なら主人公のアンパンマンにジャムをぢさん、バタ子さんにチーズ、ばいきんまんにドキンちやん、か。
基本的にはこんな感じで、加へて準レギュラーのやうな登場人物がゐる。さらに、その時々のゲストキャラクターが出てくる。
正直云つて、「アンパンマン」を見はじめてずいぶんたつが、未だに「え、こんな登場人物(「アンパンマン」の場合は「人物」かどうかはひどくあやしいのだが)、ゐたの?」と思ふやうな登場人物がゐる。
ギネスブックに載つただけでは物足りないとでも云ふのか、この期に及んで新たな登場人物が出てきたりもする。
楽しい。
楽しいぢやあないか。
なぜだか登場人物が多いと心躍る。
なんだらう。こどものころに親しんだ源平ものの本のせゐか。
源平ものつて、やたらと登場人物が多いんだよね。それも、似たやうな名前の人が何人も何人も出てくる。
だから全員を知つてゐる、とか、全員を覚えてゐる、といふことはない。
ないけれど、そこらへんは幼いころに覚えたものといふことなのか、時折ふつと意識の表面に浮かんでくることがある。
名前だけ覚えてゐて、なにをした人だか、どういふ人だかまつたく記憶にない、なんてな人もゐる。
あるいは、推理小説のせゐかもしれない、とも思ふ。
アガサ・クリスティとかエラリー・クイーンとか、やたらと登場人物が多い作品があつたりしないか。
巻頭にならんだ登場人物一覧を見ると、「なんでこんな人物が?」といふやうな人まで並んでゐたりする。
読者の目を惑はせるためだらうとは思ふけれど、「この中に犯人がゐるのかー」とか、読む前から楽しいんだよね、あの登場人物一覧。
まあ、「おじゃる丸」などはやはり源平ものの流れだな。犯人あてとかないし。
「アンパンマン」では、頭にコのつく名前の登場人物がどうもあまり好きになれない。
具体的にはコキンちやんとか鉄火のコマキちやんとかだ。唯一の例外はこむすびまん。こむすびまんはちよつと好き過ぎるくらゐ好きだが、それも今回はおく。
あとメロンパンナちやんがわかんないんだよなあ。なんであんなに人気があるんだらう。理解に苦しむ。ロールパンナちやんのよさはよくわかるんだけど。
といつた感じで、どうもいけ好かない登場人物もゐるにはゐる。
ゐるにはゐるけれど、つい見ちやふんだよなあ。
自分から録画して見やうとは思はないけれど。
ところで、「忍たま乱太郎」と「アンパンマン」とには、もうひとつ個人的に看過できない共通点がある。
それは、配役が豪華、といふことだ。
それゆゑにかなしい思ひをすることもある。
今年、内海賢二が亡くなつた。
内海賢二といへば、毎年六月の頭にむしばきんまんとして「アンパンマン」に登場するのが常だつた。
ちやうど、今年の分が放映されるころ、訃報に接した。
むしばきんまんは毎年六月にはづせない登場人物なので、今後も出てくるのだらう。
おなじことははみがきまんのときも思つたけれど、来年のことを思ふとひどくさみしくなつた。
また、しばらくたつてから、今度は魔法のランプの巨人として登場したことがあつた。
魔法のランプの巨人の最後のセリフが、「またお会ひしませう」だつた。
内海賢二の最後の仕事は「銀の匙」だつたさうだけれど、自分の中では「アンパンマン」の魔法のランプの巨人になつてしまつた。
あーあ。
などといふこともありつつ、それでも「配役が豪華」といふことで見てしまふんだよなあ。
「アンパンマン」にしても「忍たま乱太郎」にしても、いまどきちよつとないくらゐ豪華だもの。
それでゐて(あるいはそれだから、か)登場人物が多い。
やめられませんな。
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