老いるといふこと
もう新しいものは好きになれないのかもしれない。
いつからだらう、さう思ふやうになつた。
COWBOY BEBOPをはじめて見たときから、だらうか。
TVをつけたらたまたまやつてゐた番組に、なんとなく見覚えがあつた。
ああ、これはもしかしてJ9基地!
と、思つたら、BEBOP号の中だつた。
といふところからやつがれのCOWBOY BEBOP視聴ははじまる。
あの時にJ9基地だ、と思はなかつたら、チャンネルをかへてゐたらう。
TIGER&BUNNYは、たまたま見た回がとつても「シメール」だつた。
見てゐたら、キャシャーンでテッカマンだつた。
最近見てゐるのは人形劇三国志ばかり。
読んでゐるものも、まあ、そんなところだ。
歌舞伎はもう何年も見てゐるし、何しろ見はじめたころ「知つてる人がたくさん出てゐる!」と思つた。
はじめて見た丸本物は「逆櫓」で、樋口二郎は義仲の部下、最後には畠山重忠も出てくるのだつた。
幼い日、本でなんども読んだなつかしい人々だ。
なにか新しいものを、と思ふ。
思つて見聞きして、「ああ、これはあの作品だね」とか「ここはあの作品とおなじか」と思ふ。
なにも新しくない。
昔から知つてゐるものとかはるところがない。
自分はさういふものが好きなのだ。ゆゑに仕方がないのだらう。
世のニュースもなにひとつ新しくない。
手をかへ品をかへ、ところをかへておなじことが起こつてゐる。
「新しいこと」にはさして意義はないのだらう。
自分の好きなことや好きなものを大切に思ふていくしかないのかもしれぬなあ。
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