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Thursday, 24 October 2013

ペンと手帳と文字と

次の手帳や来年の手帳をどうしやう。
近頃はそんなことばかり考へてゐる。

いま使用してゐるSmythsonのPanamaをあともう少しで終はつてしまふ。のこり二十ページくらゐかな。ここから先が長いこともあるし、あつといふ間に終はつてしまふこともある。
今回は、あつといふ間に終はる方かもしれない。
といふのは、ペンがとてもよくなつたり増えたりしてゐるからである。

先日、愛用してゐる中屋万年筆のペンを調整してもらつたところ、これが見違へるやうな書き味になつた。三年前の二月に求めたもので、買つて帰つたその日から、「なんだかとつても自分つぽい字が書ける」と思つて日々使つてゐる。
ふしぎなもので、といふか、当然といふべきか、筆記用具によつて、自分の書く文字は大きく変はつてくる。
鉛筆で書けば鉛筆の、その鉛筆だとて、まだ長い鉛筆で書けば長い鉛筆で書いたときの、短い鉛筆で書けば短い鉛筆で書いたときの、硬い芯なら硬い芯の、柔らかい芯なら柔らかい芯の文字になる。
我ながらおもしろいくらゐに字は変はつてくる。

筆記具がおなじでも、紙が違へばまた違ふ。
おなじノートでも右側に書いたときと左側に書いたときではちよつと違ふし、ノートの上方に書いたときと下方に書いたときでもまた違ふ。

できればおなじ字を書きたい。
さうも思ふ。
でもまあ、かういふちよつとしたところで変はつてくるのも人間ゆゑだよな。
人間の証明といふことで、楽しむことにしたい。

そんなだから、ペンが違へば、これはもう、如実に字は変はつてくる。
いま手持ちのペンの中で、一番自分らしいなあと思ふ字を書けるのがその中屋のペンだ。ペン先は細軟。軸は碧溜十角のピッコロである。
中屋のペンは短いピッコロでも、キャップを尻にさせば筆記時には十分な長さになる。また、それなりに太さがあるので、手にしたときにゆつたり持つて書くことができる。
どのあたりが自分の字つぽいかといふと、漢字の横に長い線の書き出しと、右への払ひ、かな。あ、あと縦線の書き出しも、だ。
ちよつと細く鋭角な感じの書き出しになるんだよね。
字全体の形もほかのペンに比して好きな大きさといふかバランスといふかになる。

ぢやあそのペンだけでいいぢやん、といふことにならないのが業の深いところだね。

自分らしくない字、と書いては大げさだが、この中屋のペンにくらべると自分らしくない字の書けるペンは、それはそれでおもしろい。
このペンではこんな字、みたやうなのがね。
きつと他人が見たらわからないだらう違ひだらう。でも書いてゐるとあきらかに違ふ。
そんなわけで、調整だけのつもりで行つて、あらたなペンを増やしてしまつたのだが、それはまた別の話。ちなみにペン先は中軟にした。前回買ふときに細軟と中軟で最後まで悩んだからだ。

手帳のことを書くつもりが、ペンのことばかりになつてしまつた。
むむ。

次の手帳が決まらないのは、使ひたいペンが多すぎるからだ。
すぱつとMoleskine、と決めてしまへればいいのだけれど、ペンの選択肢がかぎられるのが、なあ。
それで、いまは据ゑ置き用に使つてゐるほぼ日手帳を来年は持ち歩くことにして、Moleskineで使へないペンはほぼ日手帳で使ふやうにしやうと思つてゐるのだが。

しかし、ほぼ日手帳は重たいよなあ。
持ち歩くつもりでこんなカヴァを買ふてしまつたが、これがまた結構重たい。

カンダミサコの文庫サイズ手帳カヴァとほぼ日手帳用ヌメ革カヴァ


カンダミサコの文庫サイズ手帳カヴァだ。
Pen and messagesで求めた。
ミネルバボックスの色はオルタンシア。中はブッテーロのネイヴィーである。
これを持ち歩くには、かばんを考へないと、なあ、とは、以前から書いてゐるところ。

それに、いまは据ゑ置きで使つてゐるけれど、持ち歩くなら中に書くこともちよつと変へたいな、と思つたりしてゐる。
うーん、もう十一月もすぐそこだといふのに。決まつてゐないとは。
まあ、持ち歩いてゐれば書くことはそのうちそれなりに変はつてくるとは思ふがね。

ところで、ミネルバボックスのオルタンシアではおなじカンダミサコのコインケースを使用してゐる。
いつ買つたんだつけな。二年前くらゐだらうか。
だいぶ色が変はつてしまつて、カヴァとくらべるとこんなに違ふ。

カンダミサコの文庫サイズ手帳カヴァとコインケース

カヴァもこんな色になるのかな。
それもまた楽しみである。

書くだけ書いてなにも決まらない。
開くだけ開いてなにも決まらない国会のやうなことになつたところで、本日は閉会したいと思ふ。

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