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Monday, 09 September 2013

九里をもつて半ばとしたつもり


あまりにも進展しないので、書くまでもない気がする。
それでも書くのかマリン。
それでも書くのさマリン。

閑話休題。

かぎ針編みのスカーフはあひかはらず三玉目で編んでゐるところ。
八月の半ばくらゐからこの方、平日はまつたく編めずにゐる。これが進まない原因だらう。
なぜ編めないのか。
疲れ切つてゐるからだ。
暑さに、もつと云ふと湿気にやられてしまつたのである。
かつて戸川純は「となりのインド人」で「日本の夏は蒸すけど涼しい」と歌つてゐた。然るに、いまやインドも場所によつては東京より気温が低いご時世である。
まあ、インドだつてヒマラヤに近いあたりはもともとさうだつたのかもしれないけどさ。

一番ひどいときは、休みの日にすら編めなかつた。
なんだかもうぐつたりしてしまふのである。
あまりにも暑いので、家で「暑いー」とうだうだしてゐるよりは出かけやう。
もともと八月といふのに芝居の予定がつまつてゐたこともあつた。
そのうへに、無意味に出かける。
結局、横浜人形の家で開催されてゐた川本喜八郎の里見八犬伝の人形展にも二度も行つたし、渋谷ヒカリエの川本喜八郎人形ギャラリーで催されてゐた川本プロダクションのイヴェントにも二度も行つた。
ヒカリエのイヴェントなんて、大阪に日帰り旅行した次の日に行つたんだぜ。いやはや、なにを考へてゐたのだらう。暑さと湿気とで、脳味噌がやられてゐたのだとしか思はれない。そのイヴェントが楽しかつた、といふのは、すでに書いたとほりだがね。

家にゐないと、あみものは進まない。
最近あみものは外に持ち出さないからなあ。
お出かけの供はタティングレース。
さうなつてもう幾星霜(大げさ)である。

ここのところ、やつと休みの日に家にゐるときは編むやうになつてきた。例によつて録画した「あまちゃん」を見ながら、せつせと編んでゐる。
三玉目も残すところあとわづか。

ハマナカポーム無垢綿レース糸

しかし、ここからが長いのは、一玉目と二玉目で経験済みである。
二玉目のときは、このあたりから、「もう今日にも次の糸玉に入れるだらう」と毎日のやうに思つてゐた。
入れなかつた。
編んでも編んでも終はらない。
もしかしたらこの糸は、編んでも編んでもなくならない糸なのではあるまいか。
さういふ恐怖にかられたこともあつた。
なんていふの、妖怪糸たぐり? ちよつと違ふか。

二玉目を編んでゐたころは、それでも毎日編んでゐたので、「今日は終はるだらう」が二週間くらゐつづいた、とはすでに書いたとほりである。

ここから先も長いんだらうなあ。
さう思ふと、ちよつとうんざりしてくる。

昨日あたりは突然気温が下がつたので、「よし、毛糸を出してくるか」と思はないでもなかつた。
新たなものに着手すれば、進むのではないか。
いま編んでゐるスカーフが、ではなくて、新たに着手するなにかが。
そんな淡い期待を抱きつつ、しかし、新たなものには手を着けてゐない。
まだ湿気が多すぎる、といふこともあるが、やはりなんとなくいま編んでゐるものを完成させたいからだ。

さう、この期に及んでまだ、綿のレース糸のスカーフを完成させやうとしてゐるのだ、このやつがれは。

以前も書いたとほり、この冬はたた&たた夫さんのリブセーターを編むつもりでゐる。
予定はたててゐるのだから、即着手すればいい、と、我ながら思ふ。

しかし、それも、いま編んでゐるスカーフの完成の目処がたつたら、だらうなあ。

そんなことを云つてると、着たい時期にセーターが編み上がらないといふ、悲しい事態が発生する可能性が高まるとわかつてはゐる。
わかつてはゐて、しかし、どうにもできない身の上なのだつた。

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