What a Wonderful World
好きなことをしてゐると、なぜか罪悪感にかられることがある。
こんなことをしてゐていいのか。
なにかもつとほかにやることがあるのではないか。
そのとほりなのである。
ほかにもつとやることがあるのだ。
掃除をするとか、仕事のための勉強をするとか。
なにかしら、やることがあるのだ。
と、書いて、そんなこと微塵も思つてゐないことにも気がつく。
掃除などそこそこやつておけばいいし、仕事のための勉強なんてしてもしなくても。
さう思つてゐる。
しかし、それもなにかしら「ポーズ」なのだらう。
だから罪悪感にかられるのだ。
最近、そんな気分になつたのは、「三国志演義〈3〉」を読んでゐたときだつた。
「三国志演義」はそんなに好きぢやない。
「人形劇三国志」を見る参考に読んでゐるにすぎない。
しかも、徳間文庫の第三巻は、物語の冒頭から活躍してきた登場人物が次々と死んでゆく巻だ。
楽しくないはずなんだが、なんだか、楽しかつたんだな、どうも。
なるほど、もしかしたら、そんなに好きでもないのに楽しかつたから罪悪感にかられたのだらうか。
ほんたうに好きなものは別にあるのに、と。
あるいは、次から次へと人の死ぬ巻を楽しんでゐることに罪悪感を覚えたのか。
それとも、「人生とはもつと苦しいもののはず」「もつとつらいもののはず」といふ刷り込みのあるせゐか。
いづれにしても、世の中、もつと楽しくてもいいのにな。
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