2013年7月の読書メーター
2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2272ページ
ナイス数:5ナイス
正史 三国志〈1〉魏書 1 (ちくま学芸文庫)の感想
この巻に出てくる人々は、どうやら「男伊達気取り」だつたり「侠気があ」つたりするらしい。人々つて、曹操とか董卓とか袁術とかだけど。このあとも侠気にあふれた人々がたくさん出てくるのだらうか。なんとなく、股旅ものといふか、「木枯し紋次郎」のやうなのを考へてしまふ。股旅ものぢやなかつたら鳶の頭のやうなものか知らん。曹丕の帝位を受けるくだりが長々しいのが如何にもらしくていい。あと、曹丕が死んだあと曹植が詠んだとかいふ哀悼文がいい。結構時代はくだつてゐるはずなのに、張昭の名前が出て来て驚く。呉書で確認しなければ。
読了日:7月2日 著者:陳 寿,裴 松之
訳注「淮南子」 (講談社学術文庫)の感想
まちつと漢籍を読み慣れたら再度挑戦するつもり。ことばの意味の説明とかがあればもうちよつと読みやすからうと思ふんだがなあ。たとへば「穆紊陰閔」つて何よ、とか。それにしても、なにかひとつ読むと、さらに遡りたくなる欲求にかられる。詩経とか春秋左氏伝とかを読めばおさまるのか知らん。
読了日:7月8日 著者:池田 知久
唐詩選〈上〉 (岩波文庫)の感想
唐詩選は選び方がどーも、といままで敬遠してきたが、一念発起して読む。応制とかは好きぢやないなあ。結局、友と別れるの詩、とか、どこか黄昏れた感じの詩、または月夜の詩に惹かれる。湖とか川の水面が白いといふ感覚がよくわからぬ。
読了日:7月11日 著者:前野 直彬
俳句いきなり入門 (NHK出版新書 383)の感想
再読。ポエマはどこへ行けばいいのか。ずつとさう思つてゐたが、答へはあつた。ポエムは、「誰も聞いてゐないもんだから」呟いたり叫んだりするもの、なのらしい。つまり、ポエムはひとりでつぶやいとけ、と。
読了日:7月12日 著者:千野 帽子
Uncertainty: Turning Fear and Doubt into Fuel for Brillianceの感想
体調不良のせゐか、読んでも心に響かない。そして読みなほさうといふ気力もない。塞翁が馬を紹介した部分があるが、「仏教の寓話」と書いてゐて、老占ひ師が「老いた農夫」になつてゐるのが異様に気になる。出典、「淮南子」だもんなあ。
読了日:7月22日 著者:Jonathan Fields
古人に学ぶ 中国名言集の感想
「格言は、役立たずである」と著者は云ふ。そのとほりである。特にこの本に出てくるやうな格言はいけない。人々にその原典を忘れられて久しいからである。引用文にはその背景を含めることはできない。共通の理解がないから、自然格言は役立たずになる。その一方で、古人のことばは、特に著名な古人のことばは、ときに一時の慰めになる、とも書かれてゐる。さうなんだよなあ。だいたい、平安の昔から、人は「蒙求」だけ読んで引用文を口にしてゐたんだし、肩肘張らずに楽しまうぜ、格言をよ、といつたところ。
読了日:7月24日 著者:草森 紳一
ゼロからトースターを作ってみたの感想
醤油を一から作つてみやう。まづは大豆だ。大豆を育てるところからはじめねばならない。大豆とできあがる醤油の量とを調べなければ。その前に大豆はなにから育てるんだ? 種を蒔くとしたらいつ? など、この本を読むといろいろと応用がきくやうになる。「カール・サガン」には時代を感じるなあ。翻訳者が若過ぎるのかなあ。だつたら編集者が注意すべきだらうと思ふが如何に。あ、編集者も若いのか。いづれにしても村井理子と飛鳥新社には要注意かもしれない。
読了日:7月29日 著者:トーマス・トウェイツ
読書メーター
« 川本喜八郎人形ギャラリー 「黄巾」と「桃園」 | Main | 主人公不在のエピソード »
Comments