旅先で身辺整理に思ひを馳せる
先週末、大阪と京都とに行つてきた。
この時期、毎年大阪に行く。大阪松竹座に行くためである。
「なんか、もう、今年はいいかな」と思つても気がつくと行つてゐる。
今年はまさにその「もういいかな」つてな気分になつたりはしたのだが……まあ、そこはそれ、だ。
行き帰りには、新幹線を使ふ。
贅沢だなあと思はば思へ、翌日しなければならないこととそのための体調管理などを考へると、結局さうなつてしまふ。
新幹線のなかでなにをするのか。
行きは、できるだけ睡眠を補給したいといつも思つてゐる。
富士山とか浜名湖とか、見たいものはいろいろあるんだがね。
今年は、新富士駅を過ぎたところでふり返つたら、雲のすきまからうつすらと富士山が見えた。
富士山はいいとして、浜名湖まで見てしまふと、あつといふ間に名古屋だ。名古屋を過ぎると、これまたあつといふ間に京都についてしまふ。
寝てゐる暇がない。
旅行の前の日といふのは、たいてい夜更かしをしてしまふ。
かばんにものをつめたりしてゐると時間がたつてしまふのだ。
それでもだいぶ早くなつてきたのだが、うつかり仕事で帰りが遅くなつたりすると、もういけない。
そんな睡眠不足のままで芝居を見るのは心配だ。といふわけで、車中ではできるだけ眠つて行きたい。
さう思ふと、これがかへつて眠れない。
そんなわけで、iPodなどを出してきて、なにか聞きながら行かうといふことになる。
あるいは眠くなるまで、なにか手作業でもしやうか、といふこともある。
以前は新幹線に乗り込んだところからくつ下を編みはじめる、なんてなことをしたこともあつた。
最近はもつぱらタティングレースだ。
道具が小さくて、持ち運びやすいので、旅のお供に最適である。
今回は宿で過ごす時間が短かつたので、シャトルを手にしたのはほぼ帰りの新幹線の中だけだつた。
成果はこんな感じ。
以前も書いたけれど、これまで自分が編んだり結んだりできてゐたのは、睡眠時間を削つてゐたからだといふのがここのところ如実に身にしみる。
いまはとにかく睡眠時間優先。
夜はなかなか床につくふんぎりがつかずにだらだらしてしまふことも多いが、それでもちよつと前まで早起きしてゐたせゐか、すこし寝る時間が早くなつてゐる。
この調子で負債を返せないまでも、これ以上負債をふやさないやうにしたい。
ただ、さうすると、編んだり結んだりしてゐる時間がなくなつちやふんだよなあ。
これまた以前「達成感」などといふことを書いたけれど、ここのところまつたく達成感を得てゐない。
しかも、こんな感じで睡眠負債に気を遣つてゐたら、手持ちの毛糸やレース糸の減る暇がない。
……処分しちやはうかな。
そんなことも思ふ。
いつそのこと、手持ちの毛糸やレース糸をきれいさつぱり処分してしまつて、心持ちも新たに現在編んでゐるものや結んでゐるものに向かふといふのはどうだらうか。
さう思つたりもする。
ま、思ふだけだがね。
それができたら苦労しないのだ。
処分するといつて毛糸を出してきて、「これはもう廃番になつたものだから」とか「これはあれを作るのに買つたものだから」とか「これは旅先で買つたものだから」とか、さんざんに云ひ訳して、結局なにも処分できない。
目に見えてゐる。
そんなわけで、すきま時間を見つけては、ちよこちよこ編んだり結んだりするしかないのだつた。
といふことは、やはり毛糸やレース糸は処分しなければ、といふことだよな。
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