手ぬぐひとハンカチ
手ぬぐひを愛用してゐる。
きつかけはなんだつたのか定かではない。
たぶん、丸の内に丸善ができて、行つてみたら手ぬぐひが売られてゐた、とか、そんなやうな感じだと思ふ。
その証拠に、はじめのころ買つた手ぬぐひには「本棚」とか「ペン」とか、丸善とかまわぬのコラボレーションによる手ぬぐひが何本かある。
夏になると、手ぬぐひ以外にタオルハンカチを常備するやうになる。
手ぬぐひは手拭き用、タオルハンカチは汗拭き用だ。
なぜ手ぬぐひを汗拭き用に使はないのか。
洗ふのがめんどくさいからである。
手ぬぐひは、手で洗ふやうにしてゐる。
夏の汗は脂が多い。
より念入りに洗ふ必要がある。
その手間を惜しむがゆゑである。
もともと、手ぬぐひを愛用するまへはタオルハンカチを愛用してゐた。
アイロンをかける必要がないからである。
手ぬぐひも、ことによつてはアイロンをかける場合もあるやうだが、やつがれはかけたことがない。
洗つて、乾かして、ふんはりやはらかいものを使ふ。
これがいい。
実を云ふと、冬のあひだもタオルハンカチは常備してゐる。
手ぬぐひを忘れたときのために、上着やコートのポケットにつねに入れてゐるのだ。
「こんなこともあらうかと」といふアレである。
そんなわけで、ほとんど出番はない。
夏のあひだはちがふ。
タオルハンカチも一軍選手だ。
タオルハンカチを愛用してゐたときも、夏は二枚持ち歩いてゐた。
手拭き用と汗拭き用と、だ。
汗を拭くときに、水をふくんだハンカチで拭くとなんとなくイヤな感触がするからである。
現在手ぬぐひとタオルハンカチとを持ち歩くのも、それゆゑである。
汗拭くときは、乾いたもので拭ひたいんだよね。
先日、たれのつぶやきかは失念したが、夏は手拭き用、汗拭き用、それと保冷剤を包む用の三枚の手ぬぐひを使ふといい、といふ発言を見かけた。
なるほど。それはいいかも。
自宅にゐるときは、手ぬぐひを汗拭き用にも使つてゐる。一日家にゐるやうなときは、ぬらしてしぼつたものを首にかけてゐる。
一昨年、しろくまといふぬらして冷を楽しむネクタイのやうなものを買つたのだが、これがやつがれにはあはなかつた。
たしかにひんやり冷たい感触はあるのだが、なんとなくベタついた感じがして、あまり涼しくないのだ。
だつたら手ぬぐひをぬらしたものを首にかけてみやう。
さう思つて実践してみたところ、これが案外いい。
家にゐるから、乾いてもすぐぬらすことができるしね。
両端はぬらさずにおいて汗拭きに使へるのもいい。
ぬらしても、かたくしぼつて、時折額や頬にのせてみると、これがまたひんやりとしていい感じ。
この時期、ついつい青系の手ぬぐひを選んでしまふ。
鬼灯の手ぬぐひなどは、赤いので、うつかり四万六千日の日に出してくるるのを忘れてしまひがちだ。
今年は前日に使つたけどな。
向日葵の手ぬぐひも持つてゐて、これがものすごい山吹色だ。最初手にするのを躊躇するが、一度使ふとなぜか使ひつづけてしまふ。
そんな感じで、日々使つてゐる手ぬぐひの写真をtumblrに投稿してゐる。
これまた、一年前の記録を見返すと、「は、今年はまだこの手ぬぐひを使つてゐない」などと思ひ出すのにちやうどいい。
今日の手ぬぐひは遊中川の金魚。
金魚は年中ゐるけれど、どうもこの季節に選びがちな手ぬぐひである。
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