「クールビズ」は夏の幻想
それでも「風工房のシンプル夏ニット、こもの」から、H玉編み模様のスカーフを編んでゐる。
糸は指定糸のハマナカのオーガニックコットンポーム<無垢綿>のレース、針も指定針のNo.0。
といふあたりは前回とほぼおなじ書き出しだ。
先週、やつと一玉編み終はつて、二玉目に入つた。
うーん、完成するとちよつと短いのかな。
できあがりサイズは138cmとなつてゐる。
最近のはやりつて、長くてうすいマフラー(あるいはスカーフ)をぐるりと巻いて端をたらす感じなんぢやないのかな。
といふのは、「仮面ライダーウィザード」を見てゐるとそんな感じだからである。
いまはもうそれほどでもないが、冬のあひだ、「仮面ライダーウィザード」は結構「まきもの天国」であつた。
主人公はこい牡丹色の長いマフラーを巻かずに首にかけただけ。
その手下(?)の子はチェックのマフラーを、こちらはぐるぐると巻きつけて端を出さないやうにしてゐる。
敵の男の人は三角ストールの二重使ひ。これはいまもさうかな。
そして、敵の女の人は、長くてうすいスカーフをぐるりと首に巻いて、端は前にたらしてゐる。これもいまもさう。
さう考へて見てみると、性別に関はらず、長くてうすいマフラーないしはスカーフを首にぐるりと巻いて、端は前にたらしてゐるのをよく見かける気がする。
「クールビズ」とやらが叫ばれて久しい。
しかし、どれくらゐ実施されてゐるのか、謎な気がする。
たしかに、事務所内の空調は28度で固定されてゐる、なんてな職場も増えてゐる、とは云ふ。
でも、真夏でもスーツ姿の人は多い。
営業まはりをするときに、「クールビズ」といふのは受け入れられないのだらう。
社内では「我が社はクールビズを実施してをります」などといふ貼り紙をしてゐて、「だからちよつとカジュアルな出で立ちでもゴメンね」と、云ひわけしてゐるけれど、一歩外に出たら、クールビスなんて許されるはずがない。
みな一様にさう思ひこんでゐるのにちがひない。
ほんとに「クールビス」とやらを推進しやうといふのなら、「客先訪問の折も「クールビス」」にしないとウソだ。
炎天下に客先まで出かけていく。そのときにネクタイをしめてゐたりしたら、たどりついた先で空調の温度が28度だなんて、あんまりつらすぎるぢやあないか。
さう思ふのだが、誰も「客先にも「クールビズ」で」とは云はない。
あるいはさう提言してゐる人もゐるのかもしれないが、その聲はまつたく届いてゐない。
きつと、みんな本気で「クールビズ」なんてやる気はないのだ。
ポーズだけだ。
そんな気がする。
そんなわけで、電車の中が異様に寒かつたりする。
去年がそんな感じだつた。
なので、弱冷房車に乗ることが多かつた。
弱冷房車は、さすがに乗りこんだ直後はちよつとむつとするが、それでも乗つてゐると冷えてくる。
弱冷房車でこれなのだから、普通の車両の冷え方はもつとすごい。
ほんとに、空調の温度を抑へたりしてゐるのだらうか。
そんな疑ひをいだいてしまふくらゐ、冷えてゐる。
おそらく、人は最初の「むつ」とした空気に耐へられいのだ。
とくに、通勤電車の、人いきれでどうにもならないやうな状態になつてゐるやうなところでは、耐へられないのにちがひない。
しかも、夏物とはいへスーツなど着てゐたらなほさらだ。
そんなわけで、夏でも「防寒対策」は必須である。
で、今編んでゐるこのスカーフが、夏の防寒対策の一助になるか、といふと……
うーん、どうなんだらう。
すくなくとも、首まはりだけは、なんとかしてくれるのかなあ。
ハマナカのポームは編み地がやはらかできもちがいいといふ話を聞いて編むことに決めた。
とりあへず、その編み地の心地よささへ味はへればいいだらうか。
そんな気もしないではない。
かぎ針編みだと手がきつくなりがちなので、いまのところ編み地もそんなに気持ちよくないやうな気がするのだが、まあ、そこはいまは考へないことにする。
ところで、このスカーフ、ちよつと七宝模様のやうな感じになつてゐる。
この模様が引き金になつて、この週末、とある衝動に身を任せることになつたのだが。
それは次回の講釈で。
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