My Photo
September 2024
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

« 隣の席の客を叱れ | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館の展示室 その三 »

Thursday, 23 May 2013

飯田市川本喜八郎人形美術館の展示室 その二

飯田市川本喜八郎人形美術館の展示替へは今月末といふことで、ひとまづ現在の展示について書いておく。
行つたのは、先月末なのか。
時蠅は矢が好き(Time flies like an arrow.)ぢやのう。

呉の隣は「玄徳の周辺」。
左端後方は、馬謖。例によつて融通のきかなそーなやうすで立つてゐる。印象は薄いなー。

その手前が馬超。こちらは槍などを抱へてゐて、目はギロリとしてゐる。力みなぎる感じ。
錦馬超ゆゑかはたまたその出自ゆゑか、他の人形とはちよつと衣装の感じがちがふのは人形劇のときとおなじ。あたりまへか。
この、馬謖・馬超といふならびは、なんとなく関係が薄い、といふか、まあおなじ主君を仰いだ人々、といへばそのとほりなんだけれども、「それで?」といふ感じがしないでもない。

馬超の隣は魏延。
魏延はちよつとおもしろいぞ。
剣舞の最中といつた趣で、剣を頭の上にかかげ、左手で剣先を持つてゐる。右足は膝をまげてつま先立ちになつてゐて、思はず「♪大丈夫に生まれー」とか歌ひたくなつてしまふこと請け合ひだ。
その割に目つきなんかは例によつて凶悪なので、「魏延が剣舞やつても場はなごまないけどなー」とか思つてしまふ。
魏延も、人形劇に登場したばかりのころは、それなりに「若武者」風の聲ではあつたんだがなあ。最終回付近ではすつかり悪人聲になつてゐるけれど。
人形から考へると、悪人聲がぴつたりだ。

その後ろが孔明。
玄徳亡きあとの白い衣装。左上を眺めてゐる。星を見てゐるこころなのかもしれない。
いはゆる「死に態の孔明」のためか、迫力には欠ける。あと、ちよつと高いところに飾られてゐて、さらに顎をあげてゐるので、「ここから見るといい」といふポイントを探しにくかつたな。

その隣が張飛。当然蛇棒をかまへてゐる。
人形劇の張飛はやつぱり可愛い。ヒカリエにゐる張飛とくらべるとつくづくさう思ふ。ヒカリエの張飛は、前回の展示のときも今回のもちよつと大人びてゐるものな、人形劇のときに比べて。

このケースの中央は、玄徳と少年時代の劉禅。
玄徳は、孫権・曹操と比べると一番褪色とかがすくないやうだ。ゆゑに立派に見える。
劉禅はかうして見るとやはり阿呆面ぢやのう。

その前左手に美芳と玲々。ちよつとだけ華やぐぞ。
玲々は可愛いな。よくよく見ると、髪の毛は紳々竜々や管輅のやうな縫ひ糸だ。
美芳と玲々の左後方には張飛がひかへてゐる。家族、といふくくりなのかもしれない。

玄徳と劉禅の前に趙雲。
中央は玄徳と劉禅となのだらうが、物理的な中央は趙雲だ。
左隣に張飛、右隣に関羽、といふことで、初期からゐる武将を三人そろへました、といふ図なのだと思ふが、「センター、趙雲かー」と思ふてしまつた。
あらためて見ると、ヒカリエにゐた趙雲はいい男だつたな、と思ふ。わづかな差だけれど、ヒカリエの趙雲の方が二枚目だつたな。

その右手前が法正。
大守だけあつて、ここでも破格の扱ひだ。飾られてゐる位置がいいやね。
大河ドラマなんかでいふと、大御所の演じる重厚な役といつた感じ。衣装も重厚な感じだしね。

その法正を見てゐたら、なんだか見られてゐる気がした。
ふつと視線をあげると、そこにゐたのが関羽。
これが実に絶妙のアングル。
なにも云はないのに(当然だ)、この存在感、だよ。こちらを見てゐるかのやうな、そんな視線を感じたからね。
もちろん青龍刀をかまへてゐる。
やはり人形劇の関羽はやうすがいいのう。

関羽の隣に龐統。
猫じやらしを銜へてゐるのはヒカリエにゐた龐統と一緒。
ヒカリエにゐた龐統と比べると、やはりこちらの方が可愛いし、普通だなあ。ヒカリエにゐた龐統は、正面から見ると、ほんと、「風狂」といふ感じ、といふか、なんか近寄つたらいけない感じの人に見えたからなあ。

その手前が関平。関平さんは三十になるやならずで、といふか、そんな感じの成長したあとの姿。
衣装の色のせゐか、なんとなく褪色の目立つ感じがチトあはれである。

その隣が姜維。
正面から見るとチト寄り目なのが気にかかるが、横顔の端正なことといつたら。
あら、姜維さんつたら、こんなにいい男だつたか知らんと見とれることしばし。
姜維の横顔、かー。人形劇で見た記憶があんまりないなあ。そもそも出番がすくないか。
ちよつと気をつけて見てみたい。

その後ろが黄忠。
展示室の外で流れてゐた人形劇三国志のDVDには黄忠の最期が入つてゐて、展示室から出るたびに、「ああ、なんだか黄忠、死にさう」といふこともしばしば。
黄忠は「年寄りはもうダメ」みたやうなことを云はれたと思つて先走つて死んでしまふ、みたやうな展開なのだが、展示室にゐる黄忠はもつと思慮深い感じ。
真つ黒な甲冑がまたいいんだな。手には弓。

実質的な中央は玄徳と劉禅のはずなんだが、ぱつと見たところ趙雲に見える(といふか、実際にさうなんだけど)、といふわけで、このケースのバランスはちよつと微妙な感じかな。
まあ、関羽と張飛、孔明と龐統が呼応してゐる、といふのはきれいなんだけどね。

その他の展示については以下のとほり。
飯田に着くまでと、エントランスの謎
紳々竜々と「特異なキャラクター」、「江東の群像」

« 隣の席の客を叱れ | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館の展示室 その三 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 飯田市川本喜八郎人形美術館の展示室 その二:

« 隣の席の客を叱れ | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館の展示室 その三 »