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Monday, 13 May 2013

もつと読みたいあみものの本

あひかはらず「風工房のシンプル夏ニット、こもの」に載つてゐるリネンのストールを編んでゐる。
連休中には編み終はるはずだつたんだがなあ。
平日ほとんど編んでゐないのが敗因だとは思ふのだが。
休みの日、それも家にゐる日に、「あまちゃん」とか「間違われちゃった男」とか見ながら編むだけだからなあ。それでも三時間近く編んでゐるはずなんだが。
をかしい。
最後の一玉に入つてもうかなり編んだので、あとすこしで編み終はるものと思つてはゐる。
指定より二玉もすくないのを心配してゐたが、いまとなつてはそれでよかつたのかもしれない。

それはさておき。

本邦のあみものの本で「ものたりないなー」と思ふのは、文字のすくないところだ。
米国のそれと比べると、雲泥の差である。
日本では編み方が図示で、米国では文章だから、それは当然だよ。
さういふ意見もあるだらう。
でも、それだけではない。

米国のあみものの本には、ひとつひとつの作品に、いろいろと解説なり説明なり「かういふ思ひで作りました」といふやうな文章がついてゐたりする。
日本のあみものの本には、それがない。
皆無ではないが、いはゆるファッション雑誌に出てくるやうなコピーめいた短い文だけで、きちんと読めるやうになつてゐるものはすくない。

あみものの本なんだから、「この作品はこれこれかういふところから名前をとりました」だとかいふ云ひわけめいた説明ではなく、作品で勝負しやうぜ。

さう思ふことも確かだ。

だけど、そこにデザイン上の工夫とか、「かうするとちよつとうまく編めるかも」とかいふやうな情報が入つてゐたら、それはとても読みたいんだよなあ。

やつがれは、芝居は見るが役者には詳しくない。
ここでいふ「詳しくない」といふのは、芸能ニュースの類についてを云ふ。
役者は舞台に立つてゐるときだけ見ればいい。
舞台を降りたら、ただの人。
どんな食べものが好きだとか、趣味はなんだとか、不義密通のうはさがある(!)だとか、そんなことは、どうでもいい。
さう思ふやうにしてゐる。

ただひとつ、舞台の外で気にかかるのは、藝談だ。
これは、聞きたいし、読みたい。
舞台の上でのあれこれにかかはることだからだ。

あみものの本では、これがデザイン上の工夫とか、編む上でやくにたつ情報にあたる。
編む上でやくにたたない情報は不要だが、さうでなければもつと読みたい。
つねづねさう思つてゐる。

だいたい、好きなものに関する本を読むのが好きだ。
世の中に、もつとあみものに関するエッセイなりなんなり、さうしたものがあふれてゐればいいのに。
実際に本屋に行つてみると、さうした本はほとんどない。
もしかしたら出版はされてゐるのかもしれない。
「随筆」とかのコーナーにあつて、「あみもの」の棚にはないだけなのかも。

でもなあ、もし世の中にあふれてゐるのなら、Amazonがすすめてきてくれるんぢやないかなあ。

ところで、和書のあみものにも、作品にまつはるあれこれが書かれたものもないわけぢやない。
ないわけぢやないんだが、さういふものにかぎつて、なんだかこー、「いや、別にさういふことが知りたいわけぢやないし」といふやうなことが書かれてゐたりするのが不思議である。
「読みたいんだらう。だつたら文句云ふなよ」と云はれるのを承知で書く。
なんていふのかな、さういふのの特徴つて、書かれてゐることとか文体とかが、妙に「をとめチック」といふか、「夢見がち」といふか、如何にも「世間で手藝好きといつたらかういふ感じ」といふステロタイプそのままな感じがするんだよなあ。

やつがれが求めてゐるのは、「Elizabeth Zimmermann's Knitter's Almanac」とか「Yarn Harlot: The Secret Life of a Knitter」とかなんだと思ふ。
まあ、EZにしてもYarn Harlotにしても、読んでゐて「Too much!」といふ気分になるのは否めないんだけどね。

気になりつつもまだ「おしゃれな世界のニットレシピ」をきちんと見てはゐないのだが。
上に書いたやうなことも書かれてゐるのかな。
だつたらなにがなんでも見つけなければ。

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