波打つスカーフ
あひかはらず、「風工房のシンプル夏ニット、こもの」から、H玉編み模様のスカーフを編んでゐる。
糸は指定糸であるハマナカのオーガニックコットンポーム<無垢綿>のレース、針も指定針のNo.0だ。
いつもだつたら針はひとつ大きいサイズにするところである。
かぎ針編みだと手がきつくなりがちだからだ。
今回は、はじめて使ふ糸といふこともあつて、指定通りにしてみた。
このスカーフ、玉編みで七宝のやうな模様を編むのだが、最初のうちは四苦八苦しながら編んでゐた。
下の段のこま編みを割つて編みつける、といふのは、まあいいとして、段の途中でくさり編みを編みつつ、その足下に長編みを編みつける、といふのが、苦手だ。くさり編みのどのあたりに針を入れたものやら、わからなかつたからだ。
くさり編みに編みつけるピコとかも、いつも悩むんだよね。きれいにできた試しがない。それで自然とくさり編みに編みつけるピコのある作品とかを編まなくなつてゐたりする。
それでも、延々と編んでゐると、あるとき、「ここだ!」といふのが自然とわかつてくることがある。
このスカーフも、「この先ずつとこんな「進まないなー」といふ思ひを抱へながら編みつづけねばならぬのだらうか」と思ひながら編んでゐたところ、あるときbreakthruがやつてきた。
なんたが突然とても編みやすくなつたのだ。
記録を見ると、先週の火曜日のことらしい。
くさり編みの足下に長編みを編みつける位置も、なんとなくわかつてきた。
正しいかどうかはわからないけどな。
すいすいと編めるやうになつてきたのはいいことなのだが。
手が慣れてくると、当然のやうに、手のきつさも変はつてくる。
編みはじめと現在と、手のきつさがちがふので、なんとなーく編み地が波打つてるやうな気がするんだよなあ。
いや、気のせゐではない。
あきらかに波打つてゐる。
しかも、編み地の幅が段々広くなつてきてゐる。
むー。
今からほどいて編みなほすか。
と、何度も考へては、そのまま編みすすめてゐる。
かぎ針編みは棒針編みに比べて編みはじめと手の慣れたあととの手のきつさの差が大きい気がする。
あるいはやつがれだけなのか。
たとへば、モチーフつなぎなんかだと、最初に作つたモチーフと、何個目かのモチーフでは明白に出来が違ふ。
かういふときに、最初のモチーフを捨てるべきか否か、いつも悩むんだよなあ。
棒針編みの場合も、編みはじめと慣れてきて以降とはゲージが変はつてくるんだらうけど、モチーフつなぎのやうにその差がはつきりしないから、わかりづらいのかもしれない。
波打ちは、スカーフなんで、それもありかな。
さうも思ふ。
また、本人はすいすいと編んでゐるつもりなのだが、やはり編むのに時間がかかるんだよなあ。
いまもまだ一玉目で編んでゐる。
全部で四玉使ふことになつてゐるので、完成はかなり先のことだらう。
前回も書いたけど、この夏はこれだけで終はつてしまふのかもしれない。
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