2013年4月の読書メーター
2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3052ページ
ナイス数:9ナイス機械より人間らしくなれるか?: AIとの対話が、人間でいることの意味を教えてくれるの感想
自分は人間らしく生きてゐるだらうか。なんだか、限りなく機械に近いやうな暮らしを送つてゐるやうな気がしてならない。「I, bot」みたやうな。
読了日:4月5日 著者:ブライアン クリスチャン童の心で―歌舞伎と脳科学の感想
最初のうちはまつたく会話がかみあつてゐないやうに思はれることもあつてハラハラしたが、第2章あたりから俄然おもしろくなつてくる。時期的に、先代歌舞伎座も最初は音響よくなかつた、といふ話に興味を惹かれる。何ヶ月か休んで調整したとのこと。いまの歌舞伎座、松竹にそれをできる力があるかどうか。 團十郎が海老蔵とお墓について話してゐた、といふくだりが今となつてはどうにも、ね。
読了日:4月10日 著者:小泉英明,市川團十郎英雄三国志(2) (集英社文庫)の感想
「偉大なる平凡人」である吉川英治の孔明に比べると、超ウルトラスーパー軍師な柴錬の孔明に、どこか眠狂四郎な雰囲気を感じつつ読める。奥さん殺しちやふところとか、柴錬だなあ。 いつのまにか張遼とかが曹操の配下になつてゐたりするのは、まあ、ご愛嬌、かな。
読了日:4月11日 著者:柴田 錬三郎確率論と私の感想
数学部分を理解できればなあ、と己が不勉強と不才とを嘆かずにはゐられない。が、わからなくても十分おもしろい。「せられて」といふ敬語がなんだか床しい。お嬢さんのお名前が「計子」さんで、こどものころイヤだつた、といふ話に大いにうなづく。でも長じて変はつたんぢやあるまいか。そんなことないかな。
読了日:4月12日 著者:伊藤 清新版 絵でよむ漢文の感想
作品にそぐはない絵が多い。絵はほとんど印象に残らないと思ふ。「漢文」でなくて「漢詩」にかぎつた方がよかつたんぢやないかと思はないでもないが、まあ、そこは好きずきか。毒を求めてゐる向きには向かない。
読了日:4月15日 著者:加藤 徹少年曹操の感想
曹操だつたら李賀を重用したらうか。したかな。したかも。そんなことを考へながら読むうち、この世ではないところへつれて行かれる感覚に襲はれること一度ならず。これが筆圧の高い文章の力なのだらうか。
読了日:4月17日 著者:草森 紳一The Last Dragonslayerの感想
最後の謎解きは全部セリフで説明だし、それでなくても設定なんかがサーズデー・ネクストにさも似たりだし、といふ欠点も目にはつくけど、笑へて切ない物語はジャスパー・フォードだなあ、と思ふ。ユーモアもまた自然淘汰を決定する、なんて、ちよつといいぢやあないか。あと、作者は企業、嫌ひだよね。それとも好きなのかな。
読了日:4月24日 著者:Jasper Fforde「死にたい」気持ちをほぐしてくれるシネマセラピー上映中―精神科医がおススメ 自殺予防のための10本の映画の感想
前半は自殺 と自殺に至りやすい精神疾患の話と、「自殺したい」と打ち明けられたときの対応方法などが書かれてゐる。後半が映画の話。「死にたい」と思ひつめたときに、深刻な映画を見るのがほんたうに役に立つのだらうか、といふ気はする。特に、登場人物が自殺を遂げるやうな映画つてどうなんだらう。映画に限らないけれども。
読了日:4月26日 著者:高橋祥友英雄三国志 3 三国鼎立 (集英社文庫)の感想
「英雄生きるべきか死すべきか」を先に読んだ自分にとつて、「英雄」とは孔明を指す、といふ「余章補筆」の柴錬のことばはかなり衝撃であつた。ここでいふ「英雄」とは、数多の武将をひとまとめにした言葉だと思つてゐたからだ。今読んでも、ちよつとショックだなあ。赤壁の戦ひが終ると、まさに櫛の歯の抜けるやうに英雄たちが死んで行く。その死に様のあつさりとした書き方がたまらん。
読了日:4月26日 著者:柴田 錬三郎
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