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Tuesday, 16 April 2013

近頃使つたタティングシャトル

タティングレースの道具といへば、タティングシャトルである。
最近使つたシャトルはこんな感じ。

Tatting Shuttles

The Pop-A-Bobbin Tatting Shuttleがふたつ、Aerlit Shuttleがふたつ。

ボビンシャトルが好きな理由については以前も書いたが、

  1. 糸を巻きつけやすい
  2. 糸を巻きとりやすい
  3. 糸を傷めない
  4. 音がしない

といふのが主な理由。

糸を巻きつけやすく巻きとりやすい、といふのは、わかりやすいと思ふ。
糸を傷めないといふのは、たとへばクロバーのシャトルなんかの場合に、上の板と下の板の合はせがかたいと、糸傷むよね、といふ話だ。
糸を巻くときに、シャトルがカチカチいふと思ふ。あのカチカチ具合がかたいと、糸が傷む。
まあこれも至極当然の話だ。
クロバーのシャトルで合はせのかたいものに出会つたことはないので、とくに心配することはないと思ふが、Lacisのシャトルなどはかなりかたいものもある。

糸を巻いたり巻きとつたりがかんたん、といふのは案外重要なことだ。
たとへば、クロバーのタティングシャトルLは、たいへんいいシャトルかとは思ふが、大きいだけに糸を巻いたりほどいたりするのがかなり骨である。
いい気になつて巻きつけすぎると、あとでちがふ糸を巻きたいときにちよつと躊躇することになる。上から別の糸を巻けばいいのかもしれないが、さうするとあまり巻けないんだよね。

結局、普段使ひには、鼈甲模様のシャトルとかフローラとかに戻つていくのかな、といふ気もする。
やつがれもまた、最初はクロバーの鼈甲模様のシャトルを使つてゐた。
もちろんいまでも使つてゐる。
ん、いまはどちらかといふとフローラの方が多いかな。

上記理由の「音がしない」については、Aerlitのシャトルについてはあてはまらない。
といふか、使ひはじめのうちはさう思つてゐたが、使ふうちにだんだん気にならなくなることに気がついた。
その分、シャトルとボビンの合はせもゆるくなつてきてゐるだらうと考へると、どこまでもつのかと不安になるが、Aeroのシャトルに修正方法があつた気がするので、探してみるか。その手が使へるかどうかは謎だが。

タティングをするときの、シャトルのカチカチいふ音がいい、といふ話も確かにある。
かくいふやつがれも、糸を出したりしまつたりするときのあのカチカチいふ音は好きだ。
ただ、電車の中でタティングしてゐたときに、ほかの客に「その音をなんとかしろ」とすごまれたことがあるので、まあ、なんていふか、トラウマのやうなものかな。

The Pop-A-Bobbin Tatting Shuttleも、Aerlitのシャトルも先にかぎ針がついてゐる。
The Pop-A-Bobbin Tatting Shuttleの方は、実はこのかぎ針部分がちよつと長過ぎる。針の形状は、改善されてとてもよくなつたのだが、如何せん、長さだけはなんともならない。
Aerlitの方は、そこんとこ絶妙な感じだと思ふ。

だいたい、Aerlitのシャトルを使ふのは、手が小さくても使ひやいすからだ。
タティングしててかぎ針部分がひつかかるといふこともないしね。
AeroとかPonyとかのおなじやうな形のシャトルと比べても、取り回しが格段に楽である。
理由はいろいろあるとは思ふが、長さと厚みの加減が絶妙なんだらう。

むかし、まだイギリスで作られてゐたころのAeroのシャトルは、まことに使ひやすかつた、と、評判がいい。
現行のAeroのシャトルはお世辞にも使ひやすいとは思へないし、以前を知る人もまた文句を云ふてゐる。

Aerlitのシャトルを使つてゐると、「むかしのAeroのシャトルつてこんな感じだつたのか知らん」と思つたりもする。

そんなわけで、つい、Aerlitのシャトルを手にしてしまふのだつた。

しかし、Aerlitをはじめとするボビンシャトルを他人に勧めることはしない。
人は、慣れたものからはなれるのをいやがる。
クロバーのシャトルに慣れてしまつた人には、Aerlitのシャトルは使ひづらい。
当然だ。
慣れてないんだから。

多分、最初にクロバーのシャトルでタティングをはじめたころは、それなりに苦労して時間をかけて修得しただらう。そのはずだ。
そして、いまはすつかりタティングレースにも慣れてしまつてゐるだらう。
そこでAerlitのシャトルを手にして、おそらくタティングをはじめたころにかけた時間の半分の時間もかけずに、「使ひづらい」と投げ出すのにちがひない。

道具は、あるていど時間をかけて使つてみなければ、わからない。 最低、三ヶ月は使つてみてほしい。

万年筆の専門店フルハルターで萬年筆をあつらへたときに、店主に云はれたことばだ。
これもかつて何度か書いてゐる。

さう云はれたときに、やつがれには思ひあたることがあつた。
GR-8 Tatting Shuttleを使ひはじめたときの記憶である。

Tatting Shuttles

The Pop-A-Bobbin だとかAerlitだとかさんざん書いたけれど、結局一番よく使つてゐるのは、GR-8 Shuttleだ。
このシャトルに慣れるのに、タティングレースを覚えたときとおなじくらゐ大変な思ひをした、といふ話も、もうくどいほど書いてゐる。

だが、さうしてあるていど時間をかけてつきあつたからだらう、「俺の相棒・次元大介」と呼べるシャトルは、やつぱりこれだらうなあ、と思ふのだつた。

それとおなじやうな理由で、クロバーのシャトルも好きなのである。

ところで、「Aerlit」つて「アーリット」つて読むのだらうか。
「Aero」が「エアロ」なんだから、「Aerlit」は「エアリット」なんではないかと思つてゐたのだが。

ま、いつか。

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