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Thursday, 07 March 2013

「柴錬三国志」は三国志か

人形劇三国志」は好きだが、三国志(演義)が好きかどうかはアヤシい。

最近とみにさう思ふ。

人形劇三国志が好きだから、「三国志演義」も読むし、そこから派生した物語なんかも読んだりするけれど、でもそれはそれ、かなあ、といふ気もする。

あ、柴錬三国志は別ね。
柴錬三国志は、三国志といふよりは柴錬だからだ。
柴田錬三郎の小説、といふ面がおほきいと思つてゐる。
自称・柴錬チルドレンとしては、落とすことのできない作品なのである。

たとへば、柴錬三国志に出てくる孔明は、諸葛孔明といふよりは、柴錬の小説に出てくる登場人物の一類型といつた趣が強い。
これで、孔明を色仕掛けで籠絡しやうといふ薄幸の美女なんかが出てきたらもうまさに「柴錬の小説」である。
といふよりも、むしろ、どうしてさういふ展開にしなかつたのか、柴錬先生は、と思はずにはゐられない。

三国志(演義)にそんなエピソードをはさむ隙がなかつたのか。
はたまた、黄承彦の娘を嫁にもらふやうな人間に色仕掛けがきくとは思へなかつたのか。

前者はいくらでもなんとかしやうがある気がするので、後者なのかな。
柴錬は早々に黄氏を殺してしまふがね。

実に残念である。

スーパー歌舞伎では祝融が孔明を誘ふのになー。
貂蝉と結婚するのは「SF三国志」だつたか。

まあどちらも柴錬のイメージとはおほきく隔たつてゐるんだけどね。
柴錬三国志で「柴錬つぽーい」つて思ふのつて、董卓が専横のかぎりをつくして宦官を量産(つてをい)するくだりとかかなあ。
あ、あと、まだ連環の計の前の貂蝉が、池の鯉をいぢめてるところとかも、柴錬つぽい。

柴錬は、「われら梁山泊の好漢」で、「李逵が好き」といふやうなことを書いてゐる。
だつたら、三国志(演義)だつたら張飛ぢやないのぉ、といふ気もする。
柴錬三国志だと、張飛が活躍してゐるといふ印象があまりないんだよなぁ。

などと書いてゐるうちにまた読みたくなつてきてしまつた。
うーん、柴錬三国志ばかり読んでゐると三国志(演義)観がどんどんゆがんでゆく気がするのだが。
まあもとが人形劇だし、さらにその前がさだまさしの三国志英雄伝だから、もうこれ以上ゆがみやうもないか。

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