本をよごす
蛍光ペンと付箋が好きではない。
いや、付箋については「なかつた」、と、過去形で云ふべきか。
学校に通つてゐるころはどうしてゐたかといふと、とにかく、蛍光ペンは使はなかつた。
こどものころはじめて手にした英和辞書には、蛍光ペンを引いたりしてゐた。
辞書とはさうして使ふものだと思つてゐたからだ。
蛍光カラーの派手な色と、それが褪せたあとの色と、どちらも好きになれない。
しかも、引いたからといつて、覚えるわけでも覚えたわけでもなかつた。
話によると、蛍光ペンを使ふ生徒よりも使はない生徒の方が試験の成績がよい傾向がある、といふ実験結果があるのらしい。
教科書に線を引くと、一見覚えたやうな感じにはなるが、さういふ気分になつただけで満足してしまひ、実際はきちんと覚えないのだといふ。
なるほどなあ。
さう云はれてみればさうかもしれない。
蛍光ペン以外で教科書に線を引くこともほとんどなかつた。
引くときには、色鉛筆を使つてゐた。
いまでも蛍光ペンは使はないし、本に線をひいたりもしない。
付箋だけは貼るやうになつたけど、それもさう頻繁ではない。だいたい付箋を持ち歩くのを忘れたりするしね。
そんなやつがれだが、この日曜日、突然手持ちの本に線を引いたり書き込んだりするやうになつた。
なつた、といふか、意図的に、はじめてみた。
あとで読みなほしたときにおもしろいかなあ、と、思つたのだ。
使用するペンは、パイロットのHI-TECのなんか新しいペン。色は紫と茶色。
やりなれないことなので、どこまでつづくかわからない。
まあ、様子見だ。
ちなみに酔つてゐることも多いので、あとで読みなほすのがいまから楽しみである。
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