2013年2月の読書メーター
2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2364ページ
ナイス数:3ナイス
李白―巨大なる野放図の感想
宇宙。
読了日:2月1日 著者:宇野 直人,江原 正士
あやつられ文楽鑑賞の感想
読んでゐて、「えー、さうかなあ?」「ちがふんぢやないかなあ?」と思ふことしきりだつたが、半ばくらゐまで読んだところで謎がとけた。「仮名手本忠臣蔵」といへば九段目。お軽と勘平? そんなの、自業自得のふたりでせう? といふ人間と、忠臣蔵はお軽と勘平、といふ人間が合ふわけがないのだつた。でも、世の中の大半は、「忠臣蔵といへばお軽と勘平」なのかもしれないなあ、とは思はないでもない。
読了日:2月4日 著者:三浦 しをん
大江戸歌舞伎はこんなもの (ちくま文庫)の感想
三回目。長い版も読んでみたいとつねづね思つてゐるが、きつともう本にはならないのだらうなあ。残念。中途半端に理解されることを拒んでゐるやうなので、わかつたとは云はない。わからないものこそおもしろい。さういふことなのだと思ふてゐる。
読了日:2月5日 著者:橋本 治
柳亭市馬の懐メロ人生50年 (落語ファン倶楽部新書)の感想
市馬師匠ではじめて聞いたのが「お菊の皿」。このお菊さんが歌ふの歌はないのつて、「憧れのハワイ航路」をオカッパル調にみんごと歌ひあげるやうすに、「このしとはいつたいなんなんだらう」なんぞと思つたのがことの発端。帯に「あたしは昭和30年代までの歌謡曲しか、聴かないんです」とあつて、なんてやうすがいいんだらうと思ふことしきり。個人的には古今亭右朝師匠の話がちらつと出てくるのがなつかしい。美空ひばりは、やつぱり娘時代だよね。
読了日:2月10日 著者:柳亭 市馬
歌舞伎にみる日本史の感想
基本形は見開きで、右ページに芝居の紹介、左ページに史実の説明。忠臣蔵など主要なものは別途ページを割いて説明してゐる。このていどの説明の量だと、芝居についても歴史についてもどうにも中途半端なものにならざるを得ない。仕方のないことかとは思ふ。本文のフォントが読みづらいのは残念。掲載されてゐる写真は古いものが多く、それを見るのが楽しい向きもあらう。十一世團十郎、先代の幸四郎、先々代の松緑のほか、寿海や先代の猿翁の舞台から引いてきたものが多いやうに思ふ。
読了日:2月12日 著者:佐藤 孔亮
歌舞伎・主人公百選 (日本古典芸能シリーズ)の感想
ひとりにつき見開きとちよつと。簡潔にまとめられてゐるとも云へるが、物足りないとも云へる。歌右衛門最後の三千歳は最高だつたと思ふ自分は、きつと「いまどき」でも「わかもの」でもなかつたのにちがひない。
読了日:2月14日 著者:藤田 洋
Elizabeth Zimmermann's Knitter's Almanacの感想
三回目。はじめて買つたあみものの洋書。Pi Shawlを編まうと思つてひつぱりだしてきて、この機会に読んでみた。なんだかひつかかる書き方が多いやうに思ふのは気のせゐか。かぎ針編みへのいはれなき中傷がさういふ感じを醸し出すのか。
読了日:2月19日 著者:Elizabeth Zimmermann
聞き書き 中村又五郎歌舞伎ばなしの感想
かつて読んだつもりだつたが、気のせゐかも。この当時から、役者は忙しくなり過ぎてゐて、稽古も碌にできないし、おなじ演目ばかり繰り返してゐる、といふ話が出てゐる。この傾向は少しもよくなつてゐないどころか、悪化の一途をたどつてゐる。もう一点気になるのは、客が役者を育てやうとしてゐるやうには見えないといふ話。これも近年さらにその傾向が強くなつてゐるやうに思ふ。それでもなんとなく読んでゐて前向きな気持ちになるのはなぜだらう。
読了日:2月21日 著者:郡司 道子
芸づくし忠臣蔵の感想
ためになる。でも客のたしなみとして、ここで読んだことはすべて忘れて見ることにしたい。 ひとりひとりの役者の語りが聞こえてくるやうだ。梅幸、歌右衛門、前の仁左衛門、羽左衛門……とくに勘九郎当時の勘三郎の、熱い語りの脳裡に蘇るに及んでは、涙を禁じ得ない。 やつぱり、九段目が好きだなあ……
読了日:2月27日 著者:関 容子
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