My Photo
October 2024
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

« スケジュール帳は日曜はじまり | Main | 2013年1月の読書メーター »

Friday, 01 February 2013

川本喜八郎人形ギャラリー 人形劇三国志篇 人の和

川本喜八郎人形ギャラリーの「人の和」のコーナーには、向かつて左から、関羽、張飛、玄徳、趙雲がゐる。
ギャラリーの中では一番地味な色合ひのコーナーだ。
主人公なのになー。

くどいやうだが、川本喜八郎人形ギャラリーにゐる人形劇三国志の人形は、人形劇に出てゐたものではない。川本喜八郎が新たに作りなほしてゐたものだといふ。

関羽は、人形劇のときの方がいい男であつた。
人形劇三国志で一番やうすがいいのは誰かといつたら、やはり関羽だらう。
好き嫌ひを超えたよさが、関羽にはある。
ギャラリーにゐる関羽と人形劇のときの関羽とを比べた場合、おそらく、人形劇のときの方が目がすつきりと切れ長なんだと思ふ。
とはいへ、渋谷の関羽も、そのやうすの立派なことにはかはりない。
ギャラリーの関羽の方が、野性味が増してゐる、だらうか。
目を引くのはその長髯。つやつやとみごとである。実は最近まで一本だけその髯がはねてゐたのだが、なほしてもらへたのらしい。よかつたよかつた。
玄徳・関羽・張飛の三人はおそろひの鎧を身につけてゐて、とくに関羽と張飛とは人形劇のときと概ねおなじ出で立ちだと思ふ。
人形劇のときとちがふ点は、肘側に飾りがついてゐること。関羽の鎧についた飾りは、碧つぽい色になつてゐる。
関羽は、京劇では衣装に緑色を用ゐてゐる。また、関羽の人形自体緑以外の色が似合はなかつたのださうで、ここでもやはりしごきなど緑色の衣装を身に着けてゐる。服の松の模様といふのもなんだかいい感じだ。
もちろん青龍円月刀を携へてゐる。
願はくは、赤兎にまたがつた関羽を見られんことを。

張飛は、人形劇のときよりおとなびて見える。
人形劇のときの張飛は、もつと顔が丸くて、髭などももつともしやもしやとした感じだつた。役回りも、玄徳・関羽といふふたりの立派な兄に対し、やんちやでこまつたちやんな弟といつたところ。
ギャラリーにゐる張飛は、顔の丸みが若干とれて、髭の色は人形劇のときより茶色つぽくなつてゐる。最初のころは、まるい目の中の目の玉が上を向いてゐて、それがユーモラスな印象を与へてゐたのだが、最近やや正面を見るやうな位置にかはつたやうで、ますますおとなしい感じがつよくなつたやうに思ふ。
衣装は、人形劇のときとほぼおなじ。三兄弟おそろひの鎧に、黒い戦袍に、桃色のしごき。
これまた蛇矛をかまへてゐる。
張飛のやうなキャラクタは、動いてなんぼ、喋つてなんぼ、なのかもしれないなあ、と、思はないでもない。
要するに、動いてゐるところを見てみたいんだよね。

玄徳は、髭のあるカシラ。
髭のない初期のカシラの方がよかつたのにー、と思はないでもないが、思ふに、川本喜八郎が当初思ひ描いてゐた玄徳は、髭のある、おとなの男だつたのだらう。
髭があるからだらうか、衣装も、益州攻略のころには身につけてゐたやうなちよつと立派なものだ。立派なものなんだけれども、曹操とか董卓とかに比べるとちよつと見劣りする気がするのはなぜだらう。玄徳だからか。龍の柄だつたりして、豪華は豪華なんだけどなあ。
衣装の色は青。曹操が赤で、董卓が黒で、関羽が緑で、張飛が桃色(黒、といふ意見もあるかもしれないが、なんとなく桃色のイメージがあるんだなあ。しごきのせゐだらうけど)で、玄徳は青、といふ感じで、戦隊物ができさうな気がするぞ。この場合、黒の董卓は悪役だらうか。すると黄色を誰か入れないといけないな。黄色……孫権はどちらかといふと橙色な気がするし、周瑜かなあ。
などと、くだらないことを考へてしまふ。
剣を佩いてはゐるが、手にしてゐるのは采配。これは曹操もおなじだな。

趙雲は、人形劇のときとあまりかはらないやうに見受けられる。
すこし皮膚の色が赤みを帯びてゐる、かな。
顔立ちは、人形劇のときの方がちよつとおとなしい感じだつたかもしれない。
槍をかまへて立つ姿は、玄徳軍の切り込み隊長といつた趣がある。実際はどちらかといふと負け戦の殿隊長だつたりするんだがね。
武将のいでたちの人形の中で唯一半身になつて立つてゐるので、背中も比較的よく見えるやうになつてゐる。趙雲を見ながら、「ああ、胸当てと背当てとは、こんな風につながつてゐるのかー」などと観察してしまふ。
ここにゐる武将の中では一番質素な衣装を身につけてゐるんだよね、趙雲は。よくもまあこんな粗末な格好で戦場をかけめぐつてゐたものだ、としみじみ思ふ。
人形劇のときから、立つてゐるだけだとなんとなく地味な趙雲だが、動くとこれが別人のやうなさはやかさなんだよなあ。
といふわけで、やはり動いてゐるところを見てみたいのだつた。

次回、最後の「地の利」について書くつもり。

川本喜八郎人形ギャラリーの平家物語の人形についてはこちら
同所の人形劇三国志のうち「天の時」の郭嘉・曹操・夏侯淵についてはこちら
人形劇三国志のうち「密かなる謀 -連環の計-」の李儒・王允・董卓・貂蝉・陳宮・呂布と赤兎についてはこちら

« スケジュール帳は日曜はじまり | Main | 2013年1月の読書メーター »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 川本喜八郎人形ギャラリー 人形劇三国志篇 人の和:

« スケジュール帳は日曜はじまり | Main | 2013年1月の読書メーター »