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Thursday, 21 February 2013

吹替大好き

吹替が好きになつたのはいつからだらうか。

先日も書いたとほり、吹替が好きなのだが。
TVで映画を見るのが普通だつたので、吹替もまた普通のものだと思つて見てゐた。

多分、実際の聲を聞いて一番最初におどろいたのはクリント・イーストウッドだつたと思ふ。

「山田康雄ぢやない!」

いや、あたりまへなんだが。
当然のことなのだが、あれには相当おどろいた。
まつたくちがふ聲だつたからかもしれない。

違和感はさう長くはつづかなかつた。
本来の聲なんだから、当然のことだ。
その一方で、吹替にも違和感を感じなかつた。
これは、幼いころからこの声で慣れてゐるから、かなあ。

映画館では本来の聲、TVでは吹替。
さういふもの。
さう思ふてゐたのかもしれない。
いや、今でもさう思ふてゐる。

たとへば、モンティ・パイソンは、吹替でも字幕でも楽しめる。
出会ひは吹替だつた。
その後、長いこと字幕で見てゐて、数年前、見つかつた部分だけ吹替のDVD BOXが出て即買つた。
ついついどちらも見て(聞いて)しまふ。

以前インタヴューに答へて山田康雄が疑問を呈してゐたことがある。
モンティ・パイソンの吹替つて、ほんたうにおもしろいのか、と。
ブリティッシュ・ジョークなんて、わからない。それをそのまま翻訳できてもゐないだらう。
それがおもしろいものなのか。

多分、日本でモンティ・パイソンを見てゐた人は、ブリティッシュ・ジョークなんてなことは、考へてゐなかつたんだと思ふ。

ただ、試行錯誤の末訳しただらう脚本や、それをもとに名優の演じたものを「おもしろい」と思つてゐたんぢやあるまいか。

すくなくとも、やつがれはさうだ。

「ブリティッシュ・ジョーク」とかいふものを知るやうになつたのは、ずつとのちのことである。
そしてそれは、吹替のモンティ・パイソンに出会はなかつたら、知ることはなかつたかもしれない。
あるいは知つたとしても、もつとあとのことになつたんぢやあるまいか。

吹替でモンティ・パイソンを知つた人の中には、やつがれとおなじやうにブリティッシュ・ジョークと出会つた人もゐるだらう。

最近、とみに字幕や吹替に否定的な意見を見かけるやうになつた。
それだけ英語その他の外国語を理解する人が増えてきたといふことだらう。
しかし、その指摘には的はづれなものが多い。
字幕や吹替といふものを、理解してゐないんぢやないか。そんな気がする。

挙げ句の果てには、実際の俳優の聲を聞け、などと仰る向きもある。

やれやれ。

さうすることで、楽しめない人が多いから、字幕なり吹替なりが存在する、といふことを、認識してゐないのらしい。

字幕や吹替を通して、新たな世界に踏み出す人もゐる、といふことも、わからないのだらうな、きつと。

さういふ人は聲も大きいから、字幕や吹替の未来を不安に思ふこともないわけぢやない。

でも、世の中の大半の人は、良識あるものと、信じてやまない。

つてーか、まあ、早い話が、吹替、好きなんだよ。
悪かつたね。

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