条件にあてはまらぬペン
LAMMYのSAFARIも何本か持つてゐるが、結局手にとるのは一等最初に買ふたこのペンである。
透明軸の極細ペン先。インキはヤンセンのシェークスピア。
扱ひの荒いせゐだらう。軸はくもつてゐる。
先日、ペン先はやはらかいタッチのものが好きで、さうでなければスタブつぽいのが好き、と書いた。
このSAFARIはこの条件のいづれにもあたらない。
書いたときにかたい印象があるし、スタブといふわけでもない。
もつといふと、極細とは名ばかりで、かなり太い線になつてしまふ気がする。まあ、舶来ものの極細はこんなものかなとは思ふ。
ではなぜ愛用してゐるのか。
かたくて、さりさりした感じの書き味が気に入つてゐるからだ。
なんとなく、鉛筆またはシャープペンシルで書いてゐるときの感覚に近い。
実際に、鉛筆を手にして書いてみると、このペンで書いたときとはまつたくちがつた感じがする。
でも、このペンは、鉛筆感覚で使つてゐるペンなのだつた。
はじめてMoleskineを買ふたときは、よくこのSAFARIで書き込んだものだつた。
当時のMoleskineはそんなににぢまなかつた。
クリーム色の紙に、シェークスピアの茶色いインキがよく映えた。
いまはにぢみまくつてしまふので、残念ながら使へない。
Rhodiaの紫めいた罫線にもよく似合ふ。
さつと取りだしてぱつと書きとめる。
そんなときによく使ふペンである。
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