ペン先に賭ける
近頃、パイロットのELABOの極細が、まことに使ひやすくなつてきた。
ELABOが(再)発売された直後に買ひ求めたものだ。
ELABOのペン先は御存知のとほり、特殊な形をしてをり、筆のやうに書けるやはらかい書き味が特徴である。
何度か試し書きをさせてもらつて、中細か精々細字がよからうな、と思つてゐた。
これは、中屋万年筆のときもさうだつた。
中細軟と細軟を試し書きして、中細軟の方がより筆つぽい感じがして書き味がやはらかかつたからだ。
なぜ極細を買つてしまつたかといふと、極細で軟、といふのがめづらしかつたからだ。
現在極細のペンとして、セーラー万年筆の細美研ぎとパイロットのパイロットのキャップレスデシモとを使つてゐるが、どちらも書き味はかたい。
細字のペン先といふのはさうしたものだらうといふ先入観があつた。
それがELABOである。
やはらかい極細。
興味あるでせう。
当時、店頭で試し書きさせてもらつた感じだと、ELABOの極細はELABOらしさのないかたい書き味だつた。
新製品だけに、試し書きをした人の数も少なかつたからだらう。
キャップレスデシモの極細は、店頭で試し書きさせてもらつたペンだとさほどカリカリした感じはしなかつた。
やつがれは賭けてみた。
この先使ひつづけたら、ELABOらしい、やはらかい書き味の極細ペンになるのではあるまいか。
見えぬ未来に賭けたのだつた。
そして、どうやらこの賭けには勝つたやうだ。
賭け、と書いたのは、意識して「やはらかくしやう」「やつがれ向きのペン先に育てやう」と考へて使ひつづけてきたわけではないからだ。
世の中には、「かういふペン先にしやう」と使ひつづけてペン先を育てる人もゐるといふが、残念ながらやつがれにはさういふ能力はない。
ただひたすら日々ちよこちよこくだらぬことを書き連ねて、ある日「わっ!」と驚く日がやつてくる。
CUSTOM 823がさうだつたし、このELABOもさうだ。
「かうなるだらう」と信じることさへしない。
なんとも愚かしいことだ。
以前、筆圧鑑定のこと書いたが、それによるとやつがれに向いてゐるのは細めでやはらかいペン先なのらしい。
そんなわけでまたお気に入りのペンが増えてしまつた。
もつと書かねばなー。
これまでいろいろあつたRhodiaのWebnotebookを、昨日たうとう使ひきつた。
今日からMoleskineのPlain Notebookを使ふつもり。Star Warsエディションだ。
ELABOとMoleskineを一緒に使つたことはないけれど、相性がいいといいなあ。
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