2012年10月の読書メーター
2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2729ページ
ナイス数:5ナイス
日本語が亡びるとき―英語の世紀の中での感想
日本語については仰るとほりかと思ふが、文学についてはどうなのだらう。著者の云ふ漱石、鷗外から谷崎といつた小説家は、漢籍に親しんでゐたのではあるまいか。文学とは「人生如何に生くべきか」を描いたもの、といふ著者のことばが正しいのなら、漢籍は不可欠のはずである。なぜなら、「人生如何に生くべきか」といふことは、既に四書五経や数多の史書に描かれてゐることだからだ。著者のあげる小説家たちはさうしたことをふまえた上で作品を作つてゐたものと思はれる。鑑賞する側にさうした知識は必要ない? はたしてさうだらうか。
読了日:10月1日 著者:水村 美苗
ノマドワーカーという生き方の感想
当たり前かもしれないけれど、"The Art of None Comformity"と重なるところがかなりある。結局さうでないと、「世界を征服」なんてできないし、夢を現実にすることもできないつてことなんだらう。ノマドワーカーになるならないはともかく、ダイエットに失敗し続けてゐる人は一読の価値あるかもよ。
読了日:10月3日 著者:立花 岳志
西洋哲学史 (上巻) (岩波文庫 (33-636-1))の感想
ほぼギリシャ哲学に終始してゐて、その大半はソクラテス、プラトン、アリストテレス。「哲学はギリシャ哲学からはじまる」のださうだから、それも当然? 中国哲学を「これはむしろ神学あるいは神話である」つて、どういふこと? 19世紀初頭のドイツのレヴェルつて、そんなものか。
読了日:10月9日 著者:シュヴェーグラー
西洋哲学史 (下巻) (岩波文庫 (33-636-2))の感想
宗教だからと云はれたらそれまでだけど、上巻と下巻をつなぐには、キリスト教の影響に関する記述が不足してゐるやうに思へてならない。宗教は哲学ぢやないつて書いてあるけど、それぢや片手落ちだよね。著者にはキリスト教なんて当たり前過ぎて書くほどのことでもないんだらうな、とも思ふけど。上巻と下巻合はせると、モンティ・パイソンの哲学者サッカーを思ひ出すな。
読了日:10月11日 著者:シュヴェーグラー
定本想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)の感想
「日本語が亡びるとき」に出てきたので読んでみた。「日本語が亡びるとき」に、アンダーソンは「英語ぢやだめなんです」と云つたとあつたが、巻末の本書の翻訳状況の詳細なことにその姿勢をみることができる。本書を読んだらアンダーソンがさう云つたのもむべなるかなと思ふがな。
読了日:10月16日 著者:ベネディクト・アンダーソン
文体練習の感想
新訳が出るといふので、読みなほした。あらためておもしろいなあ。フランス語がわかれば原文も楽しめるのか知らん。六十の手習ひ? いやいや。
読了日:10月18日 著者:レーモン クノー
漢文法基礎 本当にわかる漢文入門 (講談社学術文庫)の感想
漢文のみならず語学の習得に役立つ部分あり。日本語の上達については云うまでもない。しかしセンター試験にしか出ないものをこれだけ熱心に学ぶ高校生つてゐるのか知らん。ゐるのか。
読了日:10月25日 著者:二畳庵主人,加地 伸行
酒仙 (新潮文庫)の感想
この本の存在を知つたときにはすでに絶版。あちこち探して、やつと読むことができた。探した甲斐はあつた。但し空腹時に読んではいけないし、禁酒時に読んではいけない。あー、お酒つてやつぱりいいなあ。中村さんのやうに死ねたらいいなあ。
読了日:10月30日 著者:南條 竹則
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