The Trouble with "The Trouble with Harry" Sock
はじめて「ハリーの災難」といふ映画を見たのは、おそらく「日曜洋画劇場」のヒッチコック特集のときだと思ふ。小学校の高学年か中学生のころ。そんな気がする。
ヴァーモント州のどこか、うつくしい秋の紅葉の景色の中、ひとりの男が横たはつてゐる。死んでゐるのだ。
それを見かけた土地の人々が「もしかしたら自分のせゐで死んだのでは」と、あれこれやつてゐるあひだに、履いてゐた靴がなくなり、この男・ハリーの履いてゐるくつ下があらはれる。
これが、すごい色なのだ。
つま先が赤くて、あとは青。
それが、赤や黄色に色づいた林の中、異様な光景として浮かび上がる。
あれはね、ちよつと忘れられないね。
「ハリーの災難」くつ下を編まうと思ひついたのは、いつのころだつたらう。
忘れてしまつたが、二三年前といつたところではないかと思ふ。
考へてみたら編めるぢやん。
問題は毛糸の色の選択だけど。ちやうどいい色があるかどうか。
いろいろ探して、リッチモアのマイルドラナによさげな青と赤があるのを見かけたが、近所では売られてゐない。
仕方がないので同じリッチモアのパーセントから青(col.43)と赤(col.74)を選んだ。
針は3号。
Magic Loop Cast-onで20目作り目して、52目まで増やして足の部分を45段。
ウェンディさんのつま先から編む靴下の編み方のかかとの編み方で8目まで減らす。
脚も45段。一目ゴム編みを10段編んで、一目ゴム編み止め。
で、できあがつたのがこれである。
「ハリーの災難」と云つて云へないことはない。
だが、これはどこからどう見ても「宇宙戦艦ヤマト」ではあるまいか。
さう思ふともうヤマトにしか見えない。
をかしいなあ。
ハリーのくつ下は、まちつと水色よりといふか、若干緑がかつてゐるのかも。
やはりマイルドラナを探すか。
などと思ひつつ、せつせと編んでゐる。
なぜかくつ下編みは進む。
メリヤス編みばかりなのだから当たり前か、とも思つたが、多分一度に針にかかつてゐる目の数も関係してゐると思ふ。
これだけの目を編めばいい、みたやうな気楽さがいいのではあるまいか。
いづれにしても、くつ下くらゐの輪つかをくるくる編むのが性にあつてゐるのは確かなやうだ。
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