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Thursday, 04 October 2012

云ひ訳はしない

昨日のエントリには「云ひ訳ばかりしてゐる」と書いたので。

「云ひ訳しないぜ!」とばかりに昨日正式に開店した銀座伊東屋の別館K.ITOYA1904に行つてきた。

K.ITOYA1904

といつても、二階をちよこつと覗いたくらゐと、一階を見てまはつたくらゐだが。
K.ITOYA1904は六階まであつて、六階は地球儀の階なのださうで、そのうちゆつくりと巡つてみたい。

一階と二階は、萬年筆を扱ふ階である。
二階は、ちらつと覗いただけ。限定萬年筆など高価なものをおいてゐるのらしいが、内装がどこぞの豪邸の立派な応接間のやうで、踏み込むのをちよつとためらつてしまつた。
覚悟を決めて、今度あらためて挑戦してみたい。

一階は本館の中二階のやうな感じ、と云へばいいだらうか。
左右に萬年筆を入れたケースが並んでゐて壮観。入り口に面してモンブランのケースがある。
左右で国産・舶来とわかれてゐるわけではないやうだが、向かつて右側は国産が多かつたやうに思ふ。スティピュラとかクロスとかの萬年筆も置かれてゐたけれど。

雨の水曜の夜のためか、店内に客の姿はまばら。
一昨日プレオープンもあつたといふことだし、もう喧噪はとつくの昔に去つたあとだつたのだらう。

今回は、実はデルタのブルーのインキとラミーのターコイズのインキカートリッジを買つて帰らうかな、とも思つてゐたが。

店の向かつて右側奥にあるインキの棚は、既に隙間の目立つくらゐな状態だつた。
インキの棚の向かひ側に革小物が置かれてゐる。

どうしやうかしばし考へたが、前回本館の中二階で試し書きをして気に入つた、パイロットのキャップレスデシモの極細を買はうと決めた。

書くまでもないことかと思ふが、キャップレスはその名のとほり、キャップのない萬年筆である。多くはノック式で、中には繰り出し式のモデルもある。
デシモはノック式で、ほかのキャップレスよりちよつと軸が細い。最近軸の色が増えて、華やかになつた。軸の色が増えるのにあはせたのだらう、これまで細字・中細字・太字だつたペン先に極細が増えた。

細字のキャップレスデシモを所有してゐるが、これがすこぶる実用的である。
ノック式だから使ひたいときにさつと使へる。キャップをまはして尻軸にさして、とかやらなくていい。使はなくなつたらこれまたさつとノックすればペン先がひつこむ。

極細があつたらなあ。
ずつとさう思つてゐた。
外出先、主に職場で、手帳に書き込むのに、極細があつたらとつてもいいのに。

さう思つてゐたら、出てたんだね、いつのまにか。

軸の色はヴァイオレットにしたつもり。
なのだが、店員さんは「限定色」と云ふてゐたので、ちがふかもしれない。

Capless Decimo, PILOT

実際はもつとピンクよりの色である。
これと、まちつと青よりの紫の軸と、悩んだのだが、こちらの方が発色がよかつた。

パイロットのブルーのインキカートリッジを入れてみた。
カートリッジにしたのは、これも出先でインキが切れたときに即補充できるやうに、と考へてだ。
最近よく使ふ萬年筆はみな吸入式かコンヴァータ使用かなのだが、それだと出先でインキ切れしたときにどうにもならないんだよね。
カートリッジはチトお高くつくが、まあ、一本くらゐはさうしたペンがあつてもいいだらう。

以前、やつがれにはやはらかいペン先が向いてゐる、と書いた。
デシモの極細は、かなりかたいペン先である。
これは以前試し書きしたときもさう思つた。

だが、夕べ試し書きさせてもらつたペン先は、いい具合にやはらかくなつてゐた。
多分、大勢の客が試し書きした結果、さうなつたのだらう。
育てればやはらかくなるはずだ。
なので、がんがん書いていくつもり。

今のところ、このペンは来年のほぼ日手帳と一緒に使ふ予定だ。
それまでにちつと使ひ込んでおくかな。

一定の金額以上買物をすると、こんなハンカチーフをもらへるのらしい。

萬年筆柄のハンカチーフ

在庫限り(?)なのださうなので、ご興味のある向きにはお早めに。

伊東屋は本館も建て直しの計画があるといふ。
さうしたらこちらだけ営業する期間もあるといふことかな。

いづれにしても、未踏の三階以上に、近いうちに行かなければ。

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