行くべきか行かぬべきか
目下の懸念事項は、「宇宙刑事ギャバン」と「Re: Cyborg 009」を見に行くかどうか、だ。
去年のいまごろ、「電人ザボーガー」を見に行つて、ぼんやりと映画館通ひを再開した。
これまで、やたらと映画館通ひをしてゐた時期が二回ある。
高校一年から二年にかけてと、二十代前半だ。
高一のときは、映画代が安かつたから。
二十代前半は、池波正太郎の影響で。
つづかなくなつたのは芝居を見るやうになつたのと、仕事が忙しくなつてきたのと、両方ある。
まあ、おそらくもともと映画好きぢやないんだな。
「A Few Good Men」を見て、デミ・ムーアのあまりに類型的な演じ方に嫌気がさした、といふこともあつた。これはデミ・ムーアひとりがさうなのではなく、たまたま嫌気のさすに至つた時に出てゐたのがその人だつた、といふだけのことなんだけれども。
たとへば、芝居だと「俊寛」の瀬尾、「実盛物語」の瀬尾、「玉藻前㬢袂」の金藤次など、見てくれもやることも見分けのつかぬほどそつくりな役がある。
「俊寛」の瀬尾だけはその背負ふバックグラウンドがちがふが、「実盛物語」の瀬尾と「玉藻前㬢袂」の金藤次は同じやうなもんだ。
この三役をそのまままつたくおんなじに演じたらいけない、といふのは、ちよつと考へたらわかるだらう。
映画だつて同じことだと思ふんだけどね。
と、当時は思つたわけだ。
ところが、去年、TVで「電人ザボーガー」の宣伝CMをやたらと見かけて、なんだかよささう、と思つた。
TVドラマでは子門真人の歌つてゐた主題歌とエンディングを別の人が歌つてゐるんだけど(後に高野二郎と知る)、これが熱くていいのだ。
さうだよ、ヒーローものの歌はかうこなくつちやよ!
それに柄本明が悪ノ宮博士で竹中直人が大門博士だつて云ふぢやない。
なんかー、見に行つてもよさそー。
リメイク版だからなー、と思ひつつ見に行つたら、これが案に相違のよさだつた。
高野二郎の歌もよかつたけど、映画内で流れる子門真人の歌にもやつぱり痺れた。
板尾創路もよかつたけど、前半の古原靖久の異様な熱血特撮ヒーローつぷりもよかつた。
それ以来ほそぼそと映画館に行くやうになつたわけだが。
どうしやう、ギャバン。
どうしやう、サイボーグ009。
どちらも映画館で予告は見た。
どちらも似たやうに頭を抱へた。
ギャバンは当然串田アキラが歌ふし、なんと大葉健二も出るといふ。
サイボーグ009は……えー、とりあへず、007がかつこいいよね。
DVDになつてから見てもいいよねー、と思はないでもないのだが。
悩むねー。
しばらくは「ギャバン、どうしやう」「009、見る?」とか悩んでゐることだらう。
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