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Monday, 20 August 2012

人形劇三国志再見

この週末、渋谷ヒカリエにある川本喜八郎人形ギャラリーに行つてきた。
しかも二度も。
そして、なんだか前向きな気持ちになつて帰つてきた。

金曜日は、三谷文楽こと三谷幸喜の「其礼成心中」を見に行つた。
その帰りにヒカリエに足を伸ばした。
8/13-19のあひだ、川本喜八郎人形ギャラリーで人形劇三国志の上映会をやると聞いてゐたからだ。

金曜日は「赤壁の戦ひ」を上映してゐて、たどりついたときには最終上映回がはじまつてゐた。
場所はギャラリーと同じ8Fにある防災センターとやら。
そこで十名は下らない人々が前方のモニタをぢつと眺めてゐた。
部屋の中は暑かつた。この日は東京でも35度を超えてゐた。冷房がきかないほどの暑さだつたといふことだらう。
だが、席について見始めると、そんなことはすつかり忘れてしまつた。
一度は見たことあるはずなのに、みるみるうちに引き込まれてしまつた。

人形劇でここまで、といふ、戦ひのやうすがねえ。
確か、本火使つてるんだつけか。
そんなこと知らなくても大迫力である。
「レッド・クリフ」の失敗は、大船団を描いたために長江がもんのすごく狭い川に見えてしまつたことだが、ここでは長江のデカさはそのままな気がする。すくなくとも「もんのすごく狭い川」には見えない。

孔明に出し抜かれまくつてゐる周瑜と曹操のキリキリしたやうすのすばらしいこと!
特に曹操はこの回ほんの数瞬のために特別に用意したカシラを使つた部分がある。
そんなすごい形相しなくても、といつたカシラだが、謀略に自信があるだけに謀られたのがくやしくてならないんだらうなあ。

そんなキリキリしてゐる周瑜の脇でオロオロしてゐる魯粛が絶品。

それから、ギャラリーにはゐない程昱ね。
荀彧とかあんまし出てなかつた分、程昱、たくさん出てたよね。
あの小狡い系のげつ歯類を思はせる顔! なつかしー。

ギャラリーではなんとなく地味ながら、動くと途端に爽やかな趙雲もいい。
聲がまたいいんだなあ。

などと、短い時間ながらものすごく堪能してしまつたのだつた。

そんなわけで、翌日の土曜日も、ヒカリエに赴いてしまつた。
この日は「関羽死す」の回だつた。
この回には思ひ出がある。
番組収録のやうすを見に行つたのだ。
川本喜八郎御みづから関羽の最期用に作つたといふカシラを動かして見せてくだすつたりした。
「使はないかもしれないけど」と云つてゐた。

この日はちやんと早めに行つて、最初から見た。
そして、すつかり魂を持つて行かれた。

これも、すでに一度は見てゐる。
「使はないかもしれないけど」と云はれてゐたカシラの使はれたのも知つてゐる。
なのに、なんでこんなに引き込まれてしまふのかなあ。

「人形劇三国志」では呂蒙の扱ひがひどく、特にこの回では完全な悪役として描かれてゐる。
さう非難する人もゐるが、このヒールぶりがたまらない。
いいぢやん、これでも。
や、呂蒙には申し訳ないか。
でもこの悪どさがいいんだがなあ。

投降を説きに来た諸葛瑾を、馬良と関平が追ひたてるやうに帰すんだけど、そんなときにも関羽は諸葛瑾に対してきちんと頭を下げてたりね。そんなところもたまらない。
諸葛瑾の実直ぶりの伺へる動きとか、ねー。
今回は全編通して椿が描かれるんだけど、これがまたあざといけどいい。

さうさう、「わしは関羽のことが好きなのだ!」と率直な曹操!
呉に関羽を殺させてはならぬ、と云ふ曹操に要領を得ない程昱。
そんな程昱に、したり顔で「呉に関羽を殺させては呉の名をあげてしまふから」と云ふ仲達。
納得する程昱に、「そんなことではない!」と怒る曹操。
ああ、なんてすばらしい……

それに、曹操、前の日に見たときと聲がちがふのだ。
ちやんと年を重ねた聲になつてゐる。
曹操は髪の毛に白い物が混じるやうになつてゐる。ほかの人形はあまり年を取つた感じがしないのだが、曹操だけは老いが目立つ。
ゆゑに聲もちやんと老けさせたのだらう。
うーん、細かい。

翌日曜日の「出師の表」も見に行かうかと思つたが、それはやめた。
それをするくらゐなら、DVDを買へつてな話だらう。

とにかく、堪能しまくつた「人形劇三国志」の上映会。
渋谷区には感謝してもし足りない。

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