本屋にはありとあらゆる本がある わたしのほしい本だけがない
いつのころからだらう、本屋に行つてもほしい本がないと思ふやうになつたのは。
かなり幼いころからだつたやうには思ふ。中学生のころにはすでにさう思つてゐたかも。
出版されたばかりの本ばかりを求めてゐるのなら、そんなことはないのかもしれない。
なぜか出版されてからしばらくたつたやうな本とか、何年も前に出版されたやうな本ばかり求めてしまふこの身の因果が原因か。
でもなあ。
そんなに最新刊ばかりを読むんだらうか、世の中の人は。
読むんだらうな。
そして、古い本はそれこそ古本屋で探すのかもしれない。
最近ではBOOK OFFのやうなところもあるし、ひよつとすると以前よりは入手しやすいのかも。
この二月から図書館通ひを再開したが、これは一重に「探せば読みたい本が(ほぼ)あるから」といふのも大きい。
現在の図書館はPCとネットワークとで検索も容易になつてゐるし、よその図書館から借りてもらふといふのもかんたんだ。
そんなんで、本屋では見かけなくなつたやうな本をずいぶんと読んだ。
最近読んだ本の中では「詩歌三国志」がおもしろかつた。
題名から予想した内容とはちがひ、土井晩翠の「星落秋風五丈原」を詳細に解説しつつ、そこかしこに晩翠が参考にしたらう漢詩や史書、演義からの文言を紹介するといふ本だつた。
これは手元にほしいなあ、と思つて、Amazonで見ると存在するのだが、本屋に行つてもみかけない。
横浜みなとみらいのコレット・マーレにある紀伊国屋は新潮選書をかなりそろへてゐるが、それでもなかつた。
この週末新宿に行くから、紀伊国屋にでも行つてみるかなあ。
あるいは小田急百貨店の本屋とか。
図書館も、最近では利用者の嗜好に合はせてベストセラーばかりをずいぶん買ひ込むやうになつてゐると聞く。
そのうち読みたい本がほんたうに見つからない世の中がやつてくるのかもしれない。
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