ミスター・スポックは博士号を持つてゐるか
「経済は感情で動く」を読んだ。
経済学は学問である。自然科学を標榜して、予測不可能な人間を排除しただの学問に堕してしまつたもの、と、やつがれは思つてゐる。経済学の中で閉じてゐれば如何様にも再現可能な数式をひねくりまはすこともできやう。
だが、現実はさうはいかない。
ゆゑに、経済と経済学はまつたく異なるもの、といふ話もあるが、まあ、さういふことなのだらう。
「さうぢやないだらう?」といふのが、行動経済学なのだらうと思ふが、これもまたやつがれの思ひ込みかもしれない。
内容はとてもおもしろく、「もつと知りたいぞ」といふ気持ちになつた。
カーネマンの本も読んでみやうと思つてゐる。
だが。
問題はそこにはない。
ではどこにあるのか、といふと、「「スタートレック」の「スポック博士」」だ。
この本の中に、ミスター・スポックとおぼしき人物に言及した部分が少なくとも三カ所ある。一カ所だけ、「スタートレックのミスター・スポック」と書かれてゐて、その他の二カ所では「スポック博士」と書かれてゐる。
スポック博士つていつたら、育児書だらう?
「スタートレック」のミスター・スポックとは別人だ。
しかし。
文中ではわざわざ「スタートレックの」とことはつてゐる。
むー。
ミスター・スポックはどこぞで博士号を取得してゐるのだらうか。
それは、かなりの確率であり得るやうな気もする。
さうすると、「「スタートレック」の「スポック博士」」も一概にあやまりとはいへない。
だいたい原文にさう書いてあれば、さう訳すだらう。
ところで、訳者あとがきにはいはゆる謝辞が出てくる。
本書に出てくるサッカーのことなどは、ちやんとしかるべき人物に確認を取つたことがここからわかる。
「スタートレック」のことも誰かに訊いておけばよかつたのにねえ。
« 2月の読書メーター | Main | ドミノ編みの可能性 »
Comments