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Thursday, 07 July 2011

PowerPointは読み物を作るアプリケーションに非ず

Microsoft Office は、用途を考へて使ふアプリケーションを選べば、それなりに素晴らしい製品だとは思ふ。
ExcelやWordは使へない、といふ人は、単に用途をあやまつてゐるだけといふ場合が多い。

Excelは表計算やグラフ作成に使ふもの。
Wordは精々数十ページの文書作成に使ふもの。

Excelで提出書類のフォーマットを作つたり、Wordで百ページを超えるやうな長大な文書を作らうとするから、みんな苦労するのである。

と、自戒もこめて書いておく。

PowerPointはスライドを作るためのアプリケーションである。
大抵はプレゼンテーションの補助になるやうな文書になる。
けつして、読み物となるやうな文書を作るアプリケーションではない。

でも実際には、読み物なのかプレゼンテーションの際にもちゐるスライドなのかよくわからない、どつちつかずの奇妙なPowerPoint文書が世の中にはあふれてゐる。
ときには、プレゼンテーション用のスライドであるにも関はらず、一枚のスライドの中にぎつしり文字を詰め込んだやうなものまである。

プレゼンテーションのときに配布する資料としても使ひたい。
その気持ちはわかる。
だが、PowerPointにも向き不向きがある。
基本的には、文字を詰め込んで自由に整形するやうな機能はPowerPointにはない。
したがつて、半角と全角が混在してゐるやうな、一枚の中に無意味にフォントサイズが複数あるやうな、どこをとつても見づらいし読みづらいPowerPoint文書ができあがるのである。

実は、自分はPowerPointはほとんど使はない。
プレゼンテーションをする機会がないからだ。
もつぱら人の作成したものを見るばかりだ。
見てゐて思ふのは、一枚のスライドに情報がつまりすぎてゐるものが多過ぎるといふこと。
プレゼンテーションの際に、聴取者に読ませるやうなものを与へては、こちらの喋つてゐることはなかなか聞いてもらへないと思ふんだがな。それはPowerPoint(あるいはKeyNote)を使はうが使ふまいが変はらない真実なんぢやあるまいか。

上にも書いたやうに、プレゼンテーション用のスライドと配布資料を一度に作つてしまへ、といふことが多いのだらうとは思ふ。
でも、それはやめた方がいい。
スライドならスライド、読み物なら読み物。
さうわりきつて作らないと、どつちつかずの文書になり、プレゼンテーションの妨げにしかならなくなる。

PowerPointを使へるといふことは、ExcelもWordもインストールされてゐることと思ふ。
正しい用途に正しいアプリケーションを使ふ。
ありきたりかもしれないが、それが一番近道だと思ふ。

再び、自戒の意味もこめて記しておく。

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