下手の横好き
学校に通つてゐた時分は、実技教科はすべて「努力点」しかもらへなかつた。
あ、音楽は一応譜面は読めたし、音楽史もそこそこ知つてたからなんとかなつてゐたか。
でも音楽をのぞく実技はすべて努力点。高校のときなんかひどくて、家庭科で、一度きりの調理実習を欠席した三学期に、これまでより高い点をもらつたくらゐだ。あれは絶対先生がボケてゐたのだらう。三学期に出るのはその一年の総合得点のはずだからだ。
まあ、さういふ、先生のボケに助けられたりして、なんとか卒業することができた。
そんなわけだから、当然家庭科は苦手だつた。今でも家庭科でやつたことは苦手だし好きではない。蝶理とか裁縫とかね。
後年知つたことだが、裁縫は、きちんとサイズ修正のやりかたを教へてくれてたりした。増やすときと減らすときで、丈をどうするとか脇をどうするとか、ダーツをどうするとか、ほかの人に訊くと「そんなことは教はらなかつたよ」といふことまで教へてくれてゐた。
とてもありがたいのに、「教はつた」といふ記憶だけがあつて、具体的なことはなにも覚えてゐない。
まさかそんなことが役に立つ日の来ることなんて、想像もしてみなかつたからだ。
あみものは、九歳のときに自主的に母から教はつた。
おそらくだからつづいてゐるんだと思ふ。もし家庭科で習ふやうなことがあつたら、絶対やめてゐたにちがひない。
タティングレースはまだ「タッチングレース」と呼ばれてゐたころ、たまたま手芸店で「かわいいタッチングレース」を見つけて、これも自主的にはじめたもので、だからつづいてゐるんだと思ふ。
でもまあそんなわけで、不器用だからなかなかきれいに作れないし、なにをやらせてもトロい。
好きでやつてるからいいんだけどね。
たとへばこのDragon Wing Doily。Anne Bruvoldがパターンを公開してゐる。
これ、見たとき即「作りたい!」つて思つたんだよね。タティングレースにしては目が詰まつてゐるといふか、白い部分もしくは空間が少ない。
しかも、webを見るといろんな人かたくさん作つてゐて、どれも一々素敵だつたりするんだなあ。
作りたいと思つてゐて、パターンもダウンロードして、でもなかなかはじめられないのはいつものこと。
やつとできたのがこれである。
例によつて同じサイズであつてしかるべきリングのサイズがまちまちだつたりするが……
これつていつかそろふやうになつたりするのだらうか。
もちろんそろへやうとはしてゐる。
ただ……や、云ひ訳はやめておかう。
シャトルひとつと糸玉で作れる、至極かんたんな作品だと思ふ。
ただ……結び目の少ないリングが苦手なんだよなあ。一番小さいリングはダブルスティッチが4つ。かういふ小さいリングはなかなかうまく形にできない。糸もうまくひけないし。いくつか作つてゐるうちにだんだんましにはなつてきたやうには思ふが、残念ながら「まし」ていどである。
「ドイリー」とあるが、これはサイズとしてはコースターくらゐの大きさ。使用したのはLisbeth #40。この糸を購入した当時、ターコイズブルーが気になつてゐて、萬年筆のインキなんかにも使つてゐた。Lisbethには「ターコイズ」と名前についた色がいくつかあつて、そのうち二色くらゐ買つた。これがどつちであつたかは、記憶にない。とほほ。
このままコースターとして使ふつもりではあるものの。
六角形や八角形であれば、まちつとつなぎやすいんだがなあ。たくさん作つてつなげてみたい気がしてゐるんだが……うーん、どうつないだものやら。
或は自分で八角形とかに変形させた方がいいのか。
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