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Wednesday, 25 August 2010

来年のほぼ日手帳考 その一

ほぼ日手帳2011版の発表があつて早一週間。
カヴァのラインアップを見て、「今回はカヴァは買ないかもなあ」と思はないでもない。
つまり、本体は買ふといふことである。
もとい。
毎年毎年、気に入つたカヴァを購入してきた。
といふ話はすでに書いた気がするが。
それで、毎年、「来年もこのカヴァを使はう。来年は本体だけにしやう」と思ふのが常だつた。
ところが、いざ来年のカヴァを見ると、必ず心惹かれるものがあるぢやあないか。
さういふわけで、思ひ切れずに毎年カヴァ付きで購入してきたのだが。

んー、来年のカヴァの中には「ぐっ」とくるものがない。
敢て云へば、ヌメ革のカヴァがいいかなあ、といつたくらゐだ。しかし、ヌメ革はすでに何度かカヴァとして採用されてゐる。前回は2009年版だつたとのこと。
だとしたら、今後も出てこないとはかぎらない。むしろ、何年か周期で出てくるのではないか。
そんな気がする。

だとしたら、なにも今回は買はなくてもいいのではないか。
今回こそ、今年使つてきていい感じにしつとりと光沢も出てきたグレープ色のカヴァを使ひつづける機会ぢやあないか。

そんな気がする。

とはいへ。
気になつてゐるカヴァがないわけぢやあない。
吉田かばんのカヴァだ。
いや、あれはカヴァではないのだな。ポーチなのだらう、おそらく。
あれにはちよつと、いや、かなり心惹かれる。
あれにほぼ日手帳と筆記用具、それにiPhoneを入れれば、ちよつと出かけるのには十分なお出かけ鞄にならないだらうか。
今、「鞄が重たくなるから」とあきらめてゐるほぼ日手帳の持ち歩きを、再開することができるのではないか。
そんな期待もある。

発売日が十一月と遅いので、しばらく買ふかどうするか考へてみるつもり。

しかし。
吉田かばんのあのポーチとその他のカヴァとは一緒に買つても問題なささうなんだよな。ポーチはカヴァ付きのほぼ日手帳を考慮したサイズになつてゐるんぢやあるまいか。まあ、これは願望だけど。

Tuesday, 10 August 2010

豆本に弱い

昨日あんなことを書いておいてなんだが、来年2011年用のスケジュール帳を買つてしまつた。
MOLESKINEの掌サイズのスケジュール帳。色はライムグリーンで、一日一ページ。
ポイントはもちろん「掌サイズ」といふところ。

といふわけで、予定管理には使ひづらいのかもしれないが。
考へてみたら、一日一ページあるから、使ひやうによつては普通の週間スケジュール帳ていどには使へるのかもしれない。

でも、スケジュール帳としては使はないつもり。
普通にノートとして使ふ予定だ。毎日、くだらないことを書くことにする、とか。
なんといつても豆本……といふよりはちよつと大きいかな、でもさういふ大きさで、本のやうな佇まひといふところが見たり持つたりするだけでとても楽しい。

今のところ、来年はまた「超」整理手帳に戻る可能性が高いと思つてゐる。
今日客先に行くのに、昨日の社内引越しの影響で腰が痛くて荷物を最小限に抑へたい、といふので、A4の書類を四つ折りにして「超」整理手帳のカヴァにはさんで持つていつたのだが、これがちよつといい感じだつたんだな。たまたま裏が白い書類があつて、そこにたくさんメモを取つたりできたし、なにしろコンパクトだ。

まあ、「超」整理手帳は買はずとも、A4の紙を四つ折りにしてメモ用紙を作つて使へばいいといふ話もあるので、まちつとしばらく考へてみるつもり。
實は昨日も書いたQUO VADISのExecutive Noteにして、分度器ドットコムの正方形ツバメノートとあはせて使ふ、といふのもいいんぢやないかな〜と思つてゐる。
うーん……どうしやう。うーん……楽しいのう。

Monday, 09 August 2010

来年の手帳をどうしやう

あと一月もすると、来年の手帳が出回りはじめる。
ずいぶんと早くなつたものだ。以前は早ければ十月の終はりごろ、大抵は十一月くらゐに来年の手帳を購入してゐたやうな気がする。

主な予定はiPhoneで管理してゐるのだが。
紙媒体の手帳の方がいい場面もあるので、MIGNONの手帳を使つてゐる。日々の記録にほぼ日手帳、職場のあれこれにほぼ日手帳カズンといふのが、今年の布陣だ。

これまではMIGNONではなくて「超」整理手帳だつた。
去年は気がついたらもう手に入らなくて、それでMIGNONにしてみたわけだ。
MIGNONのいいところは、うーん、小さいところ、かな。萬年筆との相性もいい。「超」整理手帳は、萬年筆のインキの乾くのを待つてくれない性急さがあるが、MIGNONの手帳にはインキの乾くのを待つてくれる鷹揚さといふか、一種エレガントな感じがある。
一方「超」整理手帳のいいところは、必要な分だけ持ち歩けることと、A4サイズの紙と相性のいいこと、A5サイズの市販のノートカヴァを使つてA5ノートと組み合はせたりできること……と、特に職場での使い勝手がいいこと、だらうか。

ほぼ日手帳は、日誌代はりといふことで、来年も使ふ予定。
あとは、スケジュール帳をどうするかなのだ。
「超」整理手帳に戻るか。
このままMIGNONを使ふか。
はたまた三年くらゐ前に使つてその時は大変重宝したQUO VADIS の Executive Noteにするか……。

QUO VADISのExecutive Noteは、その年にはもうどんぴしやの手帳だつた。
そのころしてゐた仕事にぴつたりあつたのである。
十二月ごろ、別の仕事をするやうになつて、あまり使はなくなつてしまつた。
それでそれ以降使つてないのだが、でも、もしかしたら、今の仕事にもあふかもしれないし……。

と、日々心悩ませてゐる。
もうMoleskineの来年の手帳は出てるらしいしねー。こちらにはあまり食指が動かないので平静でゐられるけど。

そして、かうしてあれこれ悩んでゐる時間がまた楽しいのである。

Saturday, 07 August 2010

チケットの整理

整理整頓が苦手である。
ゆゑに、といふか、その理由は、といふか、つまりは、ものが捨てられない。
ほんたうは、もぎつてもらつたチケットは、然るべきノートに貼り付けて、隣に感想などを書いてとつておきたい。
かつてはさうしてゐたこともある。
しかし、一度「めんどくさい」と思つてしまふと、なかなか続かなくなるものなのだつた。
ぐうたらだから。

ま、以前ほどの愛情がなくなつた、といふ話もあるかもしれない。

といふわけで、ここ三年くらゐはこんな感じでチケットをとつてある。

ほぼ日手帳の使ひ方 チケット入れ

すこし前まではほぼ日手帳のカヴァにそのままはさんでゐたが、去年今年とオプションの写真入れを一緒に購入して、そこに月ごとにチケットを入れてゐる。
ほぼ日手帳には見た芝居や聞いた演奏会の感想も書いたりするので、あとでチケットをはりこんでもいいし、と、思つてゐる。
最近は趣のあるチケットが少なくなつてゐるのがちよつとさみしいが、まあそれはまた別の話である。

Friday, 06 August 2010

犯人はあなたです

認めたくはなかつた。
だが、今や明らかだ。

手藝用のポーチ。
これさへなければ、鞄の中身がすつきりと片付く。

わかつてゐた。
わかつてゐて、現実から目を背けてきた。
だつて、なにもすることがなかつたら、手持ち無沙汰でたまらないぢやあないか。

普段持ち歩いてゐるものといつて、タティングレースのあれこれである。
タティングレースは、ご存知の向きには説明不要とは思ふが、他の手藝に比べてずつと荷物が少なくてすむ。
#シャトル使用の場合、な。
#針を使ふと、話はまたちがつてくる。

たまたま今大物を手がけてゐるといふこともあるのだが、これさへなければ、財布、折り畳み傘、マグボトル、手ぬぐひとハンカチ、ちり紙、メモ帳に筆入、携帯電話にトイデジカメ、あとは適宜お手拭きその他の細々したものがすつきり鞄におさまるのである。

むー。

といふわけで、今日はしじみ袋にタティングレースのもろもろを入れて別にして持ち歩いてみたが。
んー、しじみ袋くらゐの大きさなら、わけて持つても大丈夫かなあ。
なぜわけて持つことを厭ふてゐるのか、といふと、荷物が増えると忘れ物も増えるからだ。
え、バカ? あー、まーさうなんだよねー。頭、回んなくなつちやふんだよねー、荷物多いと。

考へてみたら、もつと余裕をもつて日々暮らせばいいのかもしれない。
たとへば、鞄から必要なものがさつと取り出せなくても焦らないやうにする、とか。
バスや電車は停車してから席を立つやうにする、とか。
目の前の青信号が点滅してゐても走らない、とか。

ときどき、電車やバスの中で、定期券やICカードを取り出すのに手間取つてゐる人を見かけるが、やつがれはあれがダメだ。定期券は即取り出せるところに入れておきたい。改札口に向かふとき、階段とエスカレータとあつたらまづエスカレータを選ぶのは、ぐうたらだからだけれども、理由の五分の一くらゐはエスカレータに乗つてゐるあひだに定期券を用意したいからだ。だから、改札口を入つてしまつたら階段を使ふことが多い。

……といふわけで、犯人はやつがれらしい。

Thursday, 05 August 2010

今月見に行く予定の芝居

新橋演舞場に「東海道四谷怪談」を見に行く予定である。
「東海道四谷怪談」といへば、怖いもの、と、相場は決まつてゐる。
ホラーとか怪談とか大の苦手のやつがれには、本来縁のない演目のはずである。

きつかけは、山田風太郎の「八犬伝」だつたと思ふ。
朝日新聞に連載されたこの小説は、「南総里見八犬伝」を描きつつ、物語を書く曲亭馬琴のことも描いてゐた。
中に、馬琴と同時代人である四世鶴屋南北も登場する。
「東海道四谷怪談」を上演する話も出てくる。
ここで、「東海道四谷怪談」は忠臣蔵の世界の話であるといふことをはじめて知つた。
まだ歌舞伎を見たこともないころのことだ。

その後も歌舞伎を見ることなく過ごすうち、岩波文庫に「東海道四谷怪談」があることを知つた。
悩んだ。
怖かつたらどうしやう。
それでなかなか手が出ない。
あるとき遠出をすることがあつて、車中暇だらうといふので、「東海道四谷怪談」を旅の友にすることにした。
怖くなりさうだつたらそこでやめればいい。
さう思つた。

電車に乗つて座席につくなり読みはじめてみたらばこはいかに。
おもしろい。
巻置く能わず、と、よく云ふが、戯曲(……つて云つていいのかなあ)とは思へないほど話の流れがつかみやすいし、おもしろい。
特に、序盤。伊右衛門と直助が四谷左門を殺してお岩・お袖姉妹に取り入るくだりが実によくできてゐる。
「東海道四谷怪談」以外の芝居もまだ見たことのないその状況で、「これは、多少まづい役者がやつても十分おもしろい話なのではないか」と、さう思つた。

その後しばらくして、歌舞伎座などに足を運ぶやうになつて、さて「東海道四谷怪談」がかかるといふことになつた時、「怖いから、遠くから見やう」といふので、三階席のそれも奥深いところから見ることにした。

話のおもしろさはそのままに、まつたく怖くなかつた。

なんだといふので、次に見るときは思ひ切つて一階席を取つてみた。

その時の役者の調子といふのもあるのかもしれないが。
この時は実に怖かつた。
なにが怖いつて……
うーん、別に幽霊とかが怖かつたわけぢやあない。特殊な化粧が怖かつたわけでもない。
ただわけもなく、背筋のぞつとする感覚があつた。

今回はどうかなあ。
やはり怖いだらうか。
あるいは哀れに思ふか。
それとも……もしかしたら退屈するかも?

といふわけで、見に行くのを楽しみにしてゐる。

Wednesday, 04 August 2010

眼鏡新調(の予定)

眼鏡を新調することにした。
注文したのは先週のこと。文夫の部屋に行くといふので表参道とかいふ普段滅多に行かないところに出かけることだし、ここはひとつ、洒落た眼鏡でも、と思つたといふわけ。

普段も眼鏡を使つてゐて、仕事をしたり家にゐたりするときは別段気にならないのだが、唯一芝居を見るときだけ、「視力が足りないなあ」と痛感する。

眼鏡だとそんなに視力はあがらないんだがね。あげてもいいけど、さうするときつとくらくらすること請け合ひだ。

そんなわけで、今の眼鏡より、ほんのちよつとだけ見えるやうにした。
ほんのちよつとだけど、下を向くと床がいつもより近く感じられるくらゐには強くした。

フレームはBOZのNO COMMENT。
正面から見るとどうつてことないが、上から見下ろすと楽しい。
そんなフレームである。

今後、3Dの映画とか増えると、眼鏡はよくないかなーと思ひつつ、「考へてみたら、ヲレ、一年に一回映画館に行くかどーかだし」といふことに思ひ至つて購入に踏み切つた。
これで新橋演舞場八月花形歌舞伎の第三部もよく見えるはずである。
……怖くてあんましよく見たくないかもしれないけど。

ちなみに、今回左目の方が乱視がキツいといふことをはじめて知つた。
視力はずつと右の方が若干悪いので、当然右目の方が悪いと思つてゐたのだが。
放射状に線の引かれた絵を見てびつくり。
左目で見ると、本来円の形のものが楕円に見えるぢやあないか。
右目だとそんなにはつきりとはわからない。放射状に引かれた本来すべて同じ太さのはずの線がものよつて太く見えるていど。
さうかー、乱視は左目の方がきつかつたのね。

出来上がりは来週。
さて、いつ取りに行くかなあ。

Tuesday, 03 August 2010

ちいさきものはうつくしきかな

ル・ボナーのピッコロが気になつてゐる。
本棚に並んでゐたらブックカヴァかと見紛ふ佇まひもたまらない。

「たくさん入つて」「軽い」鞄が好きだと書いたばかりだといふのに、實はちいさい鞄も好きだ。
いはゆるセカンドバッグのやうなのも好きで、中学生くらゐのころだつたか、五百円均一のワゴンから気に入つたのを探し出してきて使つてゐた記憶がある。
セカンドバッグといふよりは、クラッチバッグ、だつたかもしれない。

ところでこのセカンドバッグといふのがどうも人気がないといふ。
それも、使ふ男の人に、ではなく、使つてる男の人を見る女の人に、といふのがまた不思議な話だ。
どうやら、「集団見合ひ」のやうな席にセカンドバッグ持参で行くと、即「対象外」の烙印を押されてしまふといふほどだといふ。
なにがいけないのかよくわからない。きちんとした理由のないのがまた不可思議だ。
なんでも「流行してゐないものを身につけるのがイヤ」といふ話なのだが、それつてどうなのよ……
財布や名刺入れや鍵などでスーツのポケットをふくらませてゐるよりは、セカンドバッグを持つてゐる方がずつといいと思ふがなあ。

といふわけで。ポーチだのポシェットだのといふのは、女の人のものだと思つてゐた。
女の人の服には、男の人のスーツのやうに内ポケットなどほとんどないし、そもそもポケット自体がない場合が多い。さういや楽隊にゐたころは、やつがれの隣でオーボエを吹いてた女の人は演奏会用のスカートを自分で縫つて(それともお母さまに縫つてもらつたんだつたかもしれない)、ポケットをつけたと云つてゐた。そこにチューナだのリードケースを入れて舞台に乗つてゐた。
男の人なら正装でもポケットに困ることはない。
現に男の人用の鞄といふのは、財布だの定期入れだのさつと出して使ひたいものはポケットに入つてゐるといふ前提で作られてゐるものが結構ある。

だが、ピッコロを見るかぎり、どうやら男の人もちいさな鞄を必要としてゐるのらしい。
たとへば、スーツのポケットが重くなりすぎるのがイヤだ、とか。
或はおおきなスーツケースやブリーフケースの中を整理するのにちよつとした入れ物がほしい、とか。
休みの日に出かける時に、手ぶらででかけたいけど、でも休日の服装にはそれほどポケットもないし、さて、とか。

さういふときのためのセカンドバッグなんだらうと思ふんだがなあ。
セカンドバッグは復権しないのか。しないのかもしれないなあ。

ただ。
セカンドバッグにも欠点があつて、それは、案外取り落としやすいといふことだ。
……それはやつがれだけだらうか。
中学生くらゐのころ使つてゐたと書いたけれども、結構取り落とすことがあつた。
やはり鞄には持ち手がほしい。

といふわけで、ピッコロなのである。
うつくしいものがきらいな人がゐて? なのである。

これだつたら財布にBANEロ、たたんだ手ぬぐひにちよつとしたメモ帳とペンシースを入れて使へるよなあ。
あ、社員証を入れておくのもいいかもしれない。社員証はファスナーのついたところに入れること、といふ社則ともいへない規則があるのだが、これだつたらいいかも。しかもこれに入れておいてバッグインバッグに使へば、鞄をかへても社員証を忘れることはほぼない。
いいぢやんいいぢやん。

他所でも似たやうなポーチを作つてゐるけれど、仕切りが少ないといふのがこのサイズでは重要な気がしてゐる。

うーん、できれば実物を見たいなあ。
六甲アイランドに行くしかないか。むむむ。

Monday, 02 August 2010

ただで歌舞伎を見る方法

先週金曜日の文夫の部屋第六夜で、「如何に歌舞伎を無料で見たか」といふ話が出た。
時効ではあるものの、犯罪は犯罪。
これは「ブログとかに書かないでね」ネタだらうと思つてゐたら、こは如何に。

今日のビバリーヒルズで高田文夫が喋つちやつてるぢやんかー。

もとい。

うーん、でも、まあ、篠井英介くらゐの年代の人から聞いた話だけれど、その人の若いころはほんたうに歌舞伎座なんかはガラガラで、昼の部に入つて夜の部との入れ替へのあひだはお手洗ひにひそんでゐて、夜の部は空いてる席を見つけて見てた、といふ。

無論、木戸銭泥棒ですよ。
犯罪ですよ。
いけないことですよ。

しかし、さう思ふ自分がいけないとはわかつてゐても、なんだか責める気にはなれないのだつた。

Sunday, 01 August 2010

手荷物最小化計画

普段からとにかく荷物が多い。
かばんも基本的には容量と軽さで選ぶ。實は土屋鞄のオイルヌメトートのやうに「容量は十分だけど重さがね」といふ鞄も持つてゐないわけぢやないし、愛用してゐないわけぢやないけれど、とにかく「軽くて」「たくさん入る」のが「よい鞄」の条件だ。

しかし、寄る年波には勝てない。
最近腰が痛くなることがたびたびあつたり、また、疲れてくると荷物が多いことが負担に思へるやうになつてきた。
それに、以前もどこかで書いたが、荷物が多かつたり鞄が大きかつたりするのは、自信のなさのあらはれのやうな気もしてゐる。

できるだけ最小限の荷物で移動したい。

さう思ふやうになつてしばらくたつ。
そんなわけで、去年からほぼ日手帳を持ち歩くのをやめた。
♯やめたんだけど、どうも最近また持ち歩きたいやうな気がしてゐる。

そして、「どうしてもこれ以上は減らせない」といふものに、問題があることもわかつてきた。
たとへば財布。或は小型のポーチ。
財布は薄く大きくするか厚く小さくするかその時によつて使ひわけることにしたが、ARTIZAN & ARTISTのポーチだけはどうにもならない。代はりにとがま口タイプを購入したが、薄くはなつたものの、がま口部分が邪魔になることがある。

そんなわけで、こんなものを買つてみた。

BANE口

かまわぬのBANEロ(バネロ)。
その名のとほり、口の部分がバネぐちになつてゐる。
袋の素材は手ぬぐひと同じものだと思ふ。
裏はこんな感じ。

BANE口

サイズは文庫本よりちよつと小さいくらゐ。
これに、ポーチに入つてゐたものを入れたら、鉛筆以外はなんとか全部入れることができた。鉛筆も使つていくうちに小さくなるはずなので、さうしたら入れたいと思ふ。

ARTIZAN & ARTIST のポーチはこれでもう三代目。容量もあつて同社のポーチの中ではほぼ最小のもので、内部ポケットも充実してゐて愛用してゐるのだが、如何せん、「これ以上小さくならない」といふのが難点だつた。また、中にものをつめこむと重たくなるのも難点。ちいさめの鞄はすべてこのポーチが入るか入らないかで選んでゐるといつても過言ではない。

それが、BANEロに代へたら、ちいさくかるくなる。堅牢性等については、当然ポーチよりは劣るけれど、まあそれは仕方ないかなあ。

また、BANEロは絵柄が豊富なのがいい。表裏で関連のある絵柄といふのもいいし、自分はつけなかつたけれども、極々ちいさなワッペンを追加して「世界にひとつのBANEロ」を作ることもできる。
今回は、文夫の部屋を見に訪れた青山スパイラルマーケットで期間限定店舗を出してゐたかまわぬで購入した。絵柄はどれもすてきでねえ。もう目移りするのしないのつて。

しばらく使つてみなければ判定はできないとは思ふが、今のところBANEロはいい感じである。
かくして、手荷物最小化計画は着々と進みつつある。

ここは表参道か?

7/30(金)、表参道といふか青山といふか、スパイラルホールで行はれた文夫の部屋第六夜に行つてきた。
第五夜、第六夜とも席が取れずにゐたところ、第六夜だけ戻りがあるといふので、勇んで申し込んで、なんとか滑り込むことができた。
戻りの席だからと期待せずに行つたら、結構前の方の席で、しかも開演後も客席の照明は落とさないでゐてくれたものだから、よく見えた。ほんたうにありがたいことだ。

U字工事の漫才のあと、高田文夫と伊東四朗のトークショーがあつて、柳亭市馬の落語(「皿屋敷」だつた。お菊、歌ふ歌ふ)といふ構成。
え、青山だよ。最寄り駅は表参道。道行く人は一々みんな「モード(古いね、どーも)」な感じ。
スパイラルホールだけが、ちよつとした異空間。そんな感じだ。

開演の一時間前といふ通常より早い開場に間に合ふやうに行き、予約した券を引き取つて中に入つた。
「笑芸人」など雑誌といふかムックが売られてゐて、一冊くらゐ買はうか知らんと思つたのだが、売り子の人に「市馬師匠のファンですか」とか聞かれてどきどきしてしまつたことと、いはゆる「ディープなファン」とおぼしき年上の人がこちらの見たい本のあたりに陣取つてゐたことで、あきらめる。や、別に特定の噺家が好きとか、さういふわけぢやないし。考へてみたら、噺は好きだけど、とくに誰かが好きつてわけぢやないんだよな。

そこで、中に入つて「この長い時間をどうしやう」と思ひつつタティングレースに励んでゐると、突然舞台上に青年が現れて、いきなり上手の襖のやうな白い紙に絵を描きはじめた。キン・シオタニといふ絵描きの人だといふ。ほぼ開演までの時間いつぱい使つて似顔絵などを描いて舞台から去つた。すごいね、この、時間いつぱいといふのが。

例によつて(?)立川志ららによる前説があつて、前日は横山剣目当てか妙齢の女性が多く、志ららの話にちいとも笑ひがおこらなかつたとのこと。その後出てきた高田文夫も、前日は「アウェー状態」だつたと云つてゐた。去年はみうらじゅんのときもさうだつたといふ話だつたよなあ。

今夜は市馬も出てゐるし、もしかしたら伊東四朗の歌も聞けるか知らん、と、ちよつと期待してゐた。
残念ながら、伊東四朗はそんなに歌はなかつたけれど、そんなことはどうでもよくなるくらゐ、をかしかつたなあ。
ネタ等は「ブログとかには書かないやうに。つぶやくのもめっ」といふことなので、割愛するが、「あー、やつぱりこぶ平はいつまでも「こぶ平」なんだなー」だとか、「飲み物を運んでくるのは東八郎の息子だらう」と思つてゐたらそのとほりだつたりとか、ああ、あと、「亀井静香と橘屋圓蔵が似てゐる」といふことに今で気づかなかつたんだよなあ。云はれて笑ひがとまらなかつた。
似てゐるといへば、伊東四朗の聲と三宅裕司の聲が似てゐるといふ話には、なるほどー、と思つた。あと、伊東四朗の本名は伊藤輝男でテリー伊藤と一緒といふ話に隣の人は「えー」とおどろいてゐたが、ビバリスト(?)ならそれくらゐ知つてゐてほしいといふのは我が儘か。

それから、さうさう、三波伸介が「笑点」の大喜利の司会をするに至つた原因の話とか、「さうだつたんやー」つて感じ。
同じやうな流れで行くと、市馬の川柳川柳とか林家彦六の逸話もおもしろかつたなあ。

さうさう、伊東四朗にしても三波伸介にしても、歌舞伎や落語に造詣が深くて、「藝人つてさういふものだよなあ」と思ふのだが、今はどうなのだらう。今は落語はともかく歌舞伎に造詣が深くても藝人としてやつてはいけないのだらうか。だからといつてキン肉マンネタとかドラゴンボールネタをやるのはどうかと思ふのだが……

文夫の部屋は去年は四夜、今年は二夜ときてゐるのだが、来年もつづくのだらうか。つづくといいなあと、これは心底さう思つてゐる。

いないいないばー

金曜日にC.O.U.で入手した革の筆入、その名も Wild Swans の Peek-a-Boo。いはゆる「ゐないゐないばー」といふ意味である。

Peek-a-Boo

革はサドルプルアップ革といふ、ベルギーのものだと聞いた。馬の鞍に使ふ頑丈な革だといふ。ふたを開けるとペンクリップをさす部分があつて、そこにはフランスのチェルケスといふやはらかい革を使つてゐるのださうな。店員さんの話だと、エルメスの鞄にも使はれてゐるのらしい。

その革に、絵画のスフマートといふ技法を用ゐて染色してゐるといふ。微妙な色のぼかしが実にうつくしい。店員さんの説明では、茶色と黄色と、そしてほんのり緑色を使用してゐるのらしい。写真からはちよつとわからないかもしれないけれど、光の加減によつて、そのほのかな緑色が見え隠れするのがまた楽しい。
考へてみたら手ぬぐひなんかでも、注染のぼかしが好きだつたりするんだよな。

手ぬぐひといへば、手ぬぐひに萬年筆を包んで持ち歩いてゐたりもするが、社内を持ち歩くやうなときに筆入があるといいなあと思つてゐた。手ぬぐひだと、あせつたときに飛び出してしまひさうになつたりするんだよね。粗忽者だからね。

で、社内を持ち歩くとしたら、Montblancの146とDolce Vita。このペンケースにはぴつたりだと思ふ。
今のところ、ふたの開け閉めをするときにちよつとかたいかな、と思ふが、それはさういふものだらうと思ふ。大事なペンをしつかり守つてくれさうで、たのもしい。また、革の匂ひがなんともたまらない。月曜日から使ふのが楽しみだなあ。

Peek-a-Boo

C.O.U.では開店したころ文庫用のブックカヴァを購入したことがある。多分、リスシオなんぢやないかな。この筆入を購入した時に革見本を見せてくれたのだが、その中ではリスシオがそれつぽく見えた。
鞄に入れてゐたら、なにかでひどく傷がついてしまつたが、今はそれなりにいい感じになつてゐる。

このときに、馬蹄型のコインケースとブックカヴァと、どちらにしやうかさんざん迷つた。
今回も同じ。コインケースと筆入と、どちらがいいか、悩んだ。
多分、コインケースもそのうち買ふんぢやないかといふ気がしてゐるが、そのときまでに革のことにまちつと詳しくなつて、ちよいと注文をつけてみやうか知らん。

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