ペン先の軟らかい萬年筆
先日、中屋万年筆の萬年筆を購入した。
十角軸シガーモデルはピッコロサイズの碧溜。ペン先は人気のあるといふ細軟。
十角軸シガーモデルをピッコロサイズの碧溜で、といふのは、最初から決めてゐた。
ペン先は、その場で書かせてもらつて決めた。
超極細は、あまりにも細すぎた。自分の感覚からすると、萬年筆で書いてゐるといふ満足感はあまり得られさうになかつた。
極細は、それに比べるとだいぶ書いてゐて楽しい感じがした。
細は、極細とどちらにしやうか悩むやうな書き心地だつた。
中以上は自分の用途にはチト太すぎた。
しかし、中軟の書き心地にはちよつとふらつときた。
結局、細軟と中軟と、どちらかにしやうと思ふやうになつた。
細軟を選んだのは、書きやうによつては、さりさりと、細と同じやうに書けさうな気がしたからだ。
おそらく、やつがれの書いてゐるやうすを見て、ペン先の調整をしてくだすつた人がさういふやうに誂へてくれたのではあるまいか。
購入から二ヶ月たつたが、さりさりした書き味と、すこし力を加へた時の軟らかな書き味とを、両方楽しんでゐる。
最近では主にこればかり使つてゐて、ほぼ日手帳に書き込む時などにも使用してゐる。あまり筆圧が強い方ではないらしいので、通常は細とそれほどかはりない感じで書いてゐるものと思はれる。名前を書くなどちよつとあらたまつた感じの時は、軟らかさを活かした書き方。そんな感じ。
軟らかいペン先といふことで、パイロットのフォルカンも持つてゐる。
フォルカンは、新装なつた丸善日本橋店で、743と742とさんざん試し書きをして、742を選んだ。
だが、購入直後、うまく書きこなせない羽目に陥つた。
ペンクリニックで相談したこともあつた。
自分には早過ぎた。否、自分には向かないペンだつたのだ。
さう思ふやうになつた。
だが、懲りずに日々使ひつづけてゐたらこはいかに。
最近、とてもよく書けるやうな気がする。
823の時もさうだつた。
ずつと使ひつづけて、ある日気がついてみると、なんだかとてもいい書き味になつてゐた。
フォルカンには色彩雫の月夜を入れてゐる。
思ひたつて手に取つて、縦書きに思ひつくまま書き散らしてゆく。
いい感じなんだなあ……。
書き心地としては、お習字の時に小筆で学年組と氏名とを書く、あの感じに酷似してゐる。
矢立てなど手にしてさらさらと書きとめるのつて、こんな感じなのかも。
手紙を書くなんてな用途にも向いてゐるかもしれない。
そんなわけで、フォルカンはすこし大きめな字を書く時に愛用してゐる。無地の紙のうへに書くのが楽しい。
ELABOも店頭で試し書きをしてみた。
こちらは少し太いペン先の方が楽しさう。
ま、多分買はないとは思ふけど。
これ以上ペンを増やしても、ねえ。
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