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Wednesday, 02 April 2008

微調整にはお道具が大事

焙烙を買つた。

買つたのは一月のことである。
もうせん焙烙をほしいと思つてゐた。
焙じ茶を煎るためである。
元々焙じ茶が好きだつた。飲むとなんとなくほつと喉から胸元にかけてあたたかい気分になるのだつた。
そんなわけで、焙じ茶の「自家焙煎」を試してみたこともないわけぢやない。

焙じ茶は、別段焙烙なんぞなくても煎ることはできる。
webで検索をかければ、フライパンにクッキングペーパーを敷いてその上でゆつくりじつくり茶葉を焙る方法が出てくる。
この方法は、特別な道具が不要といふ点でとてもいい。
しかし不器用な人間には向かない。
また、テフロン加工などで空の状態で熱することができないフライパンにも向かない。
できれば、茶葉を焙る前にフライパンはあたためておきたい。
これは焙烙を使ふ場合も同じで、茶葉を入れる前にあらかじめ焙烙をあたためておくとよい。さうすると、焙烙全体があたたまつて茶葉全体に熱がゆきわたるやうになるからだ。

そんなわけで、フライパン+クッキングペーパーでの焙じ茶作りはあきらめてゐた。

しかし、焙烙自体もなかなか見つからなかつた。
実際に店をまはつてみたりもしたが、なかなか「これ」といつたものがない。
webで検索をかけると、土鍋みたやうなものがひつかかつてくる。

結局、京都おぶぶ茶苑といふところで購入した。焙烙に柳番茶500gといふセットを選んだ。焙るお茶もあつた方がいいだらうと判断してのことである。
最初番茶は50gだらうと思つてゐたので、届いてびつくりだつた。そのまま飲みたいくらゐのお茶で、焙じ茶にするのはなんだかもつたいないやうな気のするくらゐのものが入つてゐた。
また、焙烙自体の形のかはいいことも気に入つた。小振りで、なめらかで、ころんとした形がよい。

早速焙つてみたところ。まづ香ばしいかをりにうつとりすることしばし。
下手なアロマテラピーよりよつぽどゆつたりとした気分になる。
この香りはお茶を入れてからもかはらない。味がいいのかかをりがいいのかわからないほどである。もちろん両方いいのだらうね。
焙烙の使ひ勝手もよい。大きさがまづいいし、また茶葉をゆすつてもほとんどこぼれないやうな形がいい。

まだ試行錯誤してゐる段階だが、どうやら自分は比較的深煎りの焙じ茶が好きなやうである。このあたりの加減も楽しい。

通信販売のお茶は時に味の素のやうな味のすることがあつて避けてきたが、こちらのお茶はそんなこともなくおいしくいただける。
500g飲み尽くすのはもつとずつと後のことだと思ふが、なくなつたら頼むつもりでゐる。

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