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Monday, 14 January 2008

釣つた魚に餌をやれ

新規契約と機種変更とは、なぜあんなに待遇がちがふのだらうか。

長いことふしぎであつた。
今でもふしぎである。

ちよつと調べればそこんとこのからくりはわかるのだらうが、別段理由を知りたいわけぢやあない。
両者間にある差別を撤廃してくれればいい。
それだけの話だ。

なにも携帯電話の話をしてゐるのではない。
将棋や芝居も同じこと。
そんな気がする。

将棋は斜陽産業。
そんなやうなことを新四段のスピーチで述べた兵もゐると聞き及ぶ。
かつて千万人単位でゐた将棋人口も、今や見るべくもないといふ話もある。

そんなわけでここのところ将棋界では「将棋人口を増やさう」といふキャンペーンをずつとおこなつてゐる。
対象はこども。悪名高い「ゆとり教育」とかで本来読み書き算盤のためにあつたものを削り取つた、その時間を使つてちいさいうちから将棋に親しんでもらはう。
さういふ試みがつづいてゐる。

おとなはこの一大キャンペーンの対象たり得ない。これは身をもつて経験してゐるので間違ひない。
また、興味をもつてはじめてみて、初心者を卒業するくらゐに育つた人間の受け口はない。こちらは断言できないが、傍から見てゐてあるやうには思へない。

好きになつたら先のことは自分でなんとかしろよ。
さういふことなのかもしれない。
好きになつたんだからそこから先は自分でなんとかできるやうでないと将棋人口として数へるわけにはいかない。
さういふ考へ方もあるかもしれない。
それはそれで正しいやうな気もするが、なんかそれつて、新規契約で集めるだけ顧客を集めておいて、あとは放置プレイな携帯電話業界とどこか似てはゐないだらうか。

ちなみにやつがれはDDIポケット時代からWILLCOMを使つてゐて八年くらゐにはなるが、WILLCOMは一向に迷惑メール対策をしてくれない。ほかのWILLCOM ユーザの方のweblogなんぞを拝見してゐると、あまりに迷惑メールが多すぎるのでメールアドレスを変更する人ばかりなのだが、それはしたくない。迷惑メールが多いからメールアドレスを変更するなんて、やつがれにとつては「負け」以外のなにものでもないからだ。Docomoのアドレス宛にはもうまつたく迷惑メールなんぞ届きはしない。DocomoにできてWILLCOMにできないわけがあらうか(ここでも各企業ごとに事情はあるだらうが……おそらく客にはそんなこと関係ないはずである)。

芝居はどうか。
芝居もまた新規契約もとい新規顧客獲得にいそがしい。
初心者向けの公演といふのは年に何回かある。国立劇場の六月七月とかね。あれは基本的には学校用なのだらうが、席さへあいてゐれば一般の人間だつて見ることができる。まあ、悪い学校にあたつて「親の顔を見てみたいぜ」と内心で毒づくことになることも多いにあるがね。

だがしかし。
その初心者向けの公演を見て、「あれ、歌舞伎つて案外おもしろいぢやん」と思つた後、どうすればいいかといふと、これがチトむづかしい。
歌舞伎座とかに行けばいい?
しかし、それにはかなりいろいろ調べなければならない。
たまたま行つてみたら、難解なものばかりで「やつぱりダメだ」といふ気分になつてしまふかもしれない。あるいは去年の八月は第二部のやうに「……これが歌舞伎?」といふやうな演目ばかりでがつくりきてしまふかもしれない。
そばにあるていど歌舞伎を知つてゐる人がゐれば助けになつてくれるかもしれないが、世の中さう甘くはない。

好きになつたんだから、それくらゐは調べて劇場に来てほしい。
さう思ふのも人情。
けれども、ここで今ひとつ「歌舞伎つてかういふものよ」といふやうな本公演があつてもいいんぢやないか。そんな気がするのである。
さうすると、たとへばあるていど芝居に通つてゐる人も初心者を誘ひやすい。案外「歌舞伎、見てみたいんだけどさー」といふ人を誘ふのはむづかしい。この演目・配役ぢやなあ、と見送る月のなんと多いことか。

かくして顧客を逃してゐることつて結構あるんぢやないかな。

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