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ネットつて怖いですね。
といふ話はおくことにして。
ちよつといろいろあつて「weblog畳むか」と思つたりもしてゐたのだが、まあたまたま悪い相手にあたつちやつたんだなと思ふことにして、つづけることにした。
といふわけで。
土屋鞄製作所のオイルヌメトートを使ひはじめて三日といつたところか。
ほんたうは一週間と云ひたいところだが、雨模様だつたりして持ち歩くのがはばかられた。
土屋鞄のオイルヌメにはもうせん興味があつた。
当初はショルダーバッグにしやうと思つてゐた。
土屋鞄のWebサイトにもあるが、トートバッグ派かショルダーバッグ派かと問はれたらショルダーバッグ派のやつがれである。
理由は、上記サイトにあるやうな「服を着る感覚」とはまつたく関係なくて、両手があくから、だつたりする。これは通勤電車の中では案外重要な点で、とつさの時にどちらの手でもなにかつかまれるやうな状況でありたいわけだ。また、運良く座れたやうな時もトートよりショルダーの方が安心だつたりする。
ところがある時「トートバッグつていいかも」と思ふやうになつた。始発の駅から通つてゐたころ、必ず座れるので小ぶりのショルダーバッグのほかに書類や書籍を入れるトートバッグを持ち歩くやうになつた。座る時両脇の人にあたると悪いので自然とバッグが小さくなつた。それを補つたのがトートバッグである。NORMADICの大きいトートバッグだ。中がベージュ色で中のものを見分けやすく、ポケットの数も必要にして十分でとても使い勝手がよい。また大きいわりに軽いのもいい。
これにすつかり満足してゐたのだが、また立つて通勤するやうになつて事態は一変した。
荷物がふたつにわかれてゐると、電車の中で邪魔なのである。
いや、さういふ人もゐる。特に女の人はちいさなハンドバッグにちよつとした手提げといふ組み合はせの人を見かける。
だが、手にさげてゐる方の鞄はどうしても他人の脚にはさまれたりとか、身動きの取れない状況を招きがちなのであつた。
といふわけで、またチト大振りのショルダーバッグひとつに戻つた、と、かういふわけである。
そんなわけで、オイルヌメもショルダーバッグにしやうとずつと思つてゐた。
踏み切れなかつたのは、「確かにたくさん入りさうではあるけれど、自分が必要とするほどにはものが入らないのではないか」といふ気がしたからである。
それに、そもそも鞄が重たい。
どうしやうかなあ、と思つてゐたころ、こちらでこんなエントリを拝見した。
さうか。トートバッグか。
しかし。
このトートバッグも相当重たい。1kgは有にある。鞄自体が重たくて、さらには荷物も重たかつたら、それは持ち歩き困難なのでは?
しかし、購入した人のレヴューを読んでも重たさを指摘する人はそれほどゐない。「思つたほど重たくなかつた」といふ人までゐる。
なるほど、手にさげても腕にかけても肩にかけてもいいわけで、そのときどきで持ち帰ればそれほど重たくないのかもしれない。
いろいろ考へて、トートバッグの方がものが入りさうだし、さうすれば持ち歩く鞄はひとつで済むだらうからといふので、トートバッグの購入に踏み切つた。
トートバッグには裏表がないからブラウンにして色の変化を楽しまうか、と思つたら売り切れてゐた。さんざん悩んで、「しかしこの大きさならこげ茶にした方が落ちついてゐていいかもしれない」と思ひなほした。
正解だつた。
一緒にオイルヌメのペンケースも購入した。こちらはブラウンにしたのだが、なるほど、この色でトートのサイズだとチト好みより明る過ぎるかも。
ところで、購入者のレヴューの中には「縫製が案外よくない」とか「糊のはみ出てゐる部分があつて気になる」といふやうな記事もあつて、手元にくるまではどきどきものだつたが、幸ひなことにやつてきたトートは問題なかつた。ひよつとしてうるさい人が見ればさうでもないのかもしれないけれど、大変満足してゐる。革のデコボコさ加減も好みとほり。また、サイドにあるポケットの革はまたちがつてかなりなめらかなのだが、そこらへんがおもしろい。
やつてきて手に取つて、「思つたより軽いぢやないか」といふのが最初の感想。しかしいつもの荷物をつめたらこれがもういやになるほど重たい。
このままでは鞄にもよくないし、なによりもやつがれの躯にもよくない。
ちよつと荷物を減らさうと心に誓ふ。
それ以外は予想してゐたよりずつといいなあ。
かぶせが特に気に入つた。ボタン部分の強度が心配なので基本的にはふはりとかけてゐるだけなのだけれども、これがいい。中が見えないといふのは重要なことだ。
また、ポケットがひとつひとつ使ひやすい。外にある両脇のポケットはかなり大きさがあり、いろいろ入りさうだし、定期入れも手持ちのものにぴつたりでほつとした。中のポケットも然り。かぶせの根元にファスナーつきの大きなポケットがついてゐて、これが一番使へるかな。
いつも鞄の中には適当にものを突つ込みがちなのだが、この鞄はマチの大きいせゐもあるのかかなりうまくものをおさめることができる。すなはちものが取り出しやすくもある。これまで使つてゐたバッグはものをつめこみがちな上に深く、時にものを取り出すのに苦労することもあつたが、今後はそれもなささう。
さうさう、このところあきらめてゐた雑誌を持ち歩けるのもうれしい。_Nature_とか、持ち歩いてないと読まないんだよねー。
ところで、革の鞄といふことで、雨の日は出番がなくなるわけだが。
しかし、天気予報ははづれることもあるし、不意の雨、といふこともある。
そんな時のために、朝倉染布の撥水性ふろしき「ながれ」を鞄の中にしのばせてゐる。やつがれのは金魚柄でチト派手なのだが、しかし、これが早速役に立つた。トートバッグをすつぽり包むことができるので、持ち手部分以外は濡れずに済む。この風呂敷には迷彩模様とかグレンチェックとか地味めの模様もあるので、気になる向きには是非。風呂敷は一枚もつてゐるととつさの時に手提げになるし、その他いろいろと役に立つしな。
うーん、しかし、荷物、減らさなきやなー……。
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