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Monday, 03 September 2007

手ぬぐい貧乏

昨日、風呂敷のことをちよつと書いたが。
ふろしきを常時使ふやうになつたのは極最近のことである。
きつかけは京都掛札の木綿風呂敷に出会つたことだ。
それまで風呂敷といふのはなんとなく「正式なもの」といふ印象があつた。また色や模様が華やかであるといふ先入観があつた。

京都掛札の木綿風呂敷を見て、さうした偏見は吹き飛んだ。
いや〜、どれも素敵。亀甲や七宝、宝づくしといつた古典柄をアレンジした模様は普段使ひにぴつたりだし、またアレンジの仕方がなんともすばらしい。
また細かいことかもしれないが、パッケージもお洒落で結び方の栞もすばらしい。掛札オリジナルといふドロップバッグやプチバッグといつた結び方もとてもいい。プチバッグ、おすすめである。
持つてゐるのは唐草の茶色と観世水。105cm四方は最初は大き過ぎるかと思つてゐたが、使ひはじめてみると「これくらゐの大きさがいいのか」と納得することしきり。

ここからやつがれの風呂敷遍歴ははじまるのだが、ま、それはまた別の話。

といふわけで、手ぬぐひである。
積極的に使ふやうになつたのは去年のことだ。
流行に乗つた? そのとほりである。

だが、その前から手ぬぐひは何本かもつてゐた。
芝居に行つてはみやげもの屋で手ぬぐひを見て、気に入つたものを購入してゐたからだ。
主に役者にまつはる柄を買つてゐた。三つ大縞とか芝翫縞、播磨屋格子に斧琴菊。また壽尽くしなどもそこで入手した。

しかし、どうやつて使つたものやら、と、悩むことしきりだつた。
いや、普通に手を拭ふのに使へばいいのかもしれないが、洗濯機で洗へるハンカチの方が便利ぢやないか。

そんなわけで、長いこと箪笥のひきだしの中にしまひ込んでゐて、たまに取り出してはながめるだけだつた。

去年、「やつぱり使つてみるか」といふので、手を拭ふものとしてハンカチかはりに持ち歩くやうになつた。
洗濯機で洗へないのはチト面倒だが、水をたつぷりはつた洗面器でじやぶじやぶ洗ふのはそれほど手間でもない。また、乾くのが早い。アイロンの必要もない(かけたければかけてもいい)。

いいぢやん?

しかも、使ひ込んでゆくとだんだん肌触りがやはらかくなつてくる。
また切りつぱなしの端が細かいフリンジ状になつてくるのもいい。

上にも書いたとほり、伝統柄が好きだからほしい柄もいくつもあるし、案外現代的な柄もおもしろかつたりする。

使ひ勝手でいへば、ちよつとした風呂敷かはりにものを包むのに使つてもいい。
基本的におほよそ35cm × 100cmくらゐの大きさがあり、ちよつと手提げの中身をかくすなんてな用途にも使へたりする。
それでゐてかさばらない。

すばらしいぢやあないか、手ぬぐひ。

その前はタオルハンカチが好きでワゴンセールを見かけては許容範囲の柄と色のものを購入してゐた。好みの関係で水色や青が多かつた。
去年の夏はすでに手ぬぐひを愛用してゐたので、ほんたうによかつたと思つた。
いや、なんか別の流行に乗つてゐると思はれるのも癪だつたからさ。
「ずつと前から好きなんだよっっ」みたやうなね。でもさう気負ふのもどうかと思ふし、大人げないしやうすが悪い。

そんなわけで手ぬぐひも、青つぽいものが多い。もつと云ふと、夏つぽい色合ひや柄のものが多いのだ。
ま、こだはらずに使ふといふのもひとつだが。
でも、手ぬぐひのよさには季節感のあるものが多いつてこともあると思ふんだよな。この梅雨は紫陽花模様の手ぬぐひを愛用してゐた。ほんたうはもつとはやくに秋の柄の手ぬぐひを使ひはじめる予定だつたがあまりの暑さに耐へかねて、一昨日から持ち歩いてゐる。

ひきだしの中も、森茉莉風に好きな色合ひ好きな柄を好きなやうに並べて楽しんでゐる。

問題は、たくさん持つてゐてもいまひとつ自慢の種にならないこと、かなあ。
伝統柄が好きと書いたが、つまり「よくある柄が好き」といふことだ。だから何枚もつてゐても、こちらのやうに自慢はできないんだなあ。

といふわけで、日々こちらでその日持ち歩いてゐる手ぬぐひの実況(?)をしてゐる。

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