最近読んだ本
たまにはかういふエントリもいいだらう。
ここのところ昔読んだ本ばかり読んでゐる。
「仕掛人・藤枝梅安(一)殺しの四人」
「仕掛人・藤枝梅安(二)梅安蟻地獄」
「仕掛人・藤枝梅安(三)梅安最合傘」
先月新橋演舞場で「鬼平犯科帳」から「大川の隠居」を見、翌日たまたまTVドラマ「鬼平犯科帳」の同エピソードを見た関係で、突然「鬼平犯科帳(六)」に手を出したところからはじまつた今回の梅安シリーズ、である。
はじめて池波正太郎を読んだ頃といふのは高校生だつたので、すべてを購ふわけにはいかなかつた。どちらかといふと、ほとんどは学校や公共の図書館から借りてすごしてゐた。「剣客商売」だけはのちに文庫でそろへたものの、梅安と鬼平はほぼ持つてゐない。
今回読んだのも新装版だ。
鬼平もいいけれど、自分には小兵衛や梅安の方があつてゐる気がする。
組織ではないからだ。
特に梅安。
小兵衛は時に田沼意次の力を借りたりするが(それがまたいい、といふのが我ながら矛盾してゐるが)、梅安はさういふことがない。力を借りるといつて同じ仕掛人仲間の彦次郎かせいぜい小杉十五郎とともに動くくらゐだ。
もちろん、仕掛人には仕掛人の世界の「組織」といふのがある。あるけれども、仕掛人自体は「フリーランス」な感じだからな。職業柄さうなるのだらうが、そこがいい。
演舞場で「大川の隠居」を見た後は無性にうまい酒を飲みたくなつた。今回は無性にうまいものが食べたくなつた。うまいものといつて別に高級なものでなくてもよくて、それこそ浅蜊にねぎと少々出汁になるやうなものがあればいいといつたところ。豆腐もいいね。それでちよちよつとなにか作つてうまい酒の肴にする。
いいなあ。
池波正太郎作品の楽しみはかういふところにもある。
ちなみに今読んでゐるのは「眠狂四郎無情控」。これも中学生くらゐのころあらかた読んだが、どうやらこれは読んでゐないらしい。上下二巻。楽しく読んでゐる。「無頼控」のころの鋭さはなくなつたものの、狂四郎は得難いキャラクタだ。
« NHKのアナウンサでさへも | Main | きょうちゃっくんは(BlogPet) »
Comments