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Monday, 04 June 2007

甘い生活

いつかこの日が来るとは思つてゐたが。
案外はやかつたな。

フェリーニの映画かディオールの香水か。
はたまたデルタの萬年筆か。

といふわけで、本日書斎館でドルチェ・ヴィータを買つてきた。

実は最終的にはヴィスコンティのヴァン・ゴッホとどちらにするか迷つたのだけれども。

その旨、店員の方に伝へたら、「伊太利の萬年筆は癖が強い」といふやうな話をいきなりしてきた。
どうも、デルタにしてもヴィスコンティにしても、伊太利製の萬年筆は個体差が非常に大きく、調整に出したりすると「三ヶ月」といつてゐたのが半年にもそれ以上にもなることがある、といふのである。
どうやら「ラテンの國だから」と云ひたいらしい。

伊太利製の萬年筆を使つたことがありますか、と訊かれたので、「アウロラを使つてゐます」と答へる。
すると、アウロラはましな方なのである、といふやうな話をされる。

ふむん。

伊太利製の萬年筆は、本邦のものや独逸製に比べたら確かにさういふ特徴があるのかもしれないが。
でもストラディヴァリウスだつてグァルネリだつて伊太利製だぜ。
伊太利製の革のかばんは他国製のものに比べて壊れやすいといふ話も寡聞にして聞かない。
萬年筆は個体差が激しいのかなあ。

試し書きさせてもらつた萬年筆はどちらもそれなりに書きやすかつた。インクをペン先につけて書いてゐるので半分くらゐに考へるとしても、悪くない。
さんざん迷つて、結局ドルチェ・ヴィータのミディアムに。バーメイルにすればよかつたかなあとも思つたが、普通の銀色のにした。

帰宅して、早速デルタの青インキを入れてみた。
書き味は悪くない。
アウロラのオプティマを買つた時はわざとちよいとかたい感じのペンを選んだ。相当苦労したけれど、今でもまだちよつと苦労してゐるけれど、でも最初のころに比べたら格段に書きやすくなつてゐる。
どちらも純正の青インキを入れてゐるのだが、色のちがひを見るのも楽しい。

ああ、これがもしかして、甘い生活?

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