国産萬年筆が好き
いや、舶来の萬年筆も好きだが。
でも国産の萬年筆も好き。そんな感じである。
考へてみたら、生まれてはじめて手にした萬年筆はBicかなにかの300円程度のペンだつた。その後だいぶたつてから、セーラーのハイ・エースを手にし、黒いインキでずいぶん使つたやうに思ふ。細字で大変使ひ勝手がよかつた。
ここでも以前書いたが、パイロットのカスタム823プランジャーの細字を使用してゐる。同じことを何度も書くようで申し訳ないが、最初手にした時は「よく書ける萬年筆」といつた印象で、それ以上でもそれ以下でもなかつた。インキがたくさん入るといふ利点もあるが、そのためかペン自体が重たくなりすぎるといふ欠点もある。
そんな感じで使ひつづけてゐたら、あるとき書き味の非常にやはらかいことに気がついた。細字で、とても細いのだけれど、書き味やはらか。
それ以降「お気に入り」の座についてゐる。ま、ほかにも同じ座についてゐるペンはたくさんあるわけだが。
その後、セーラープロフィットの長刀研ぎを購入し、これも非常に気に入つて使つてゐる。裏返すと細く書けるといふのがまたいい。普段使ひ用にとパイロットのキャップレスを手にして、押すとペン先が出るといふのがよくて日々活躍してゐる。先日、やつとの思ひでプラチナのPREPPYを入手して、これまた毎日のやうに使つてゐるし、セーラーのレアロを購入してしまつた話もここに書いた。レアロ、いいよね。なんか、「そのうち、これがヴィンテージになる日が来る……かも?」と思ひながら使つてゐる。
だからこれ以上萬年筆を増やしても、と思ひつつ、つい求めてしまつたのがセーラーの細美研ぎ。受注生産だと聞いてゐたが、「あそこに行けばあるだらう」と思つた店舗に行つたらほんたうにあつて、つい…………。しかもたまたまあつたのがプロフェッショナルギアの金だつたのが運の尽きだ。やつがれのプロフィットは銀色なのである。
これを使ひたくて意味もなく手帳に文字を書き込んだりしてしまふ。まだ多少カリカリとした感覚がないとはいへないが、時にすばらしくなめらかに書けることがあつて、それなのに字はおどろくほど細いのである。どちらかといへば筆圧の低い方なのだが、力を入れなくてもすらすら書けてしまふ。店頭で聞いたところによると、筆圧は低い人の方が向くペンなのらしい。
問題は、毛羽の立ちやすい紙には使ひづらいかなあといふこと。別に問題はないだらうとは思ふのだが、あまりに細い字が書けるので、チト気になるのだつた。
うーん、いいなあ。好きだなあ。
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