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Sunday, 22 April 2007

疑着の相

ここのところ平日はいそがしくまつたくTVを見てゐなかつた。
昨日は渡辺明竜王対ボナンザのドキュメンタリやその存在を知つた囲碁・将棋ジャーナルなど将棋関連の番組ばかり見てゐたが、その延長線上で別の番組もだらだら見てゐたらなんだかすつかり思考力がなくなつたやうな状態になつてしまつた。

…………いや、もとからそんなものはないつてか? さもありなんさもさうず。

もとい。
今、「妹背山婦女庭訓」を見てゐる。今日のところは朝の将棋番組とこれくらゐしか見てゐない。

当然、やつがれは「吉野川」が好きなのだが、今見てゐる「金殿」の方がよく上演されるのかもしれない。
「金殿」がダメな理由は、やつぱりなんだか納得いかないからだらう。

金殿とは蘇我入鹿の屋敷である。烏帽子折の求女は入鹿の妹・橘姫の着物の裾に赤い糸をつけて、苧環を手に橘姫を追つてくる。橘姫は実は求女のことが好きで、でもこれまでみづからの正体を明かしてはゐなかつた。ここではじめて名乗り、是非わが夫(つま)に、といふわけであれよあれよといふまに婚儀へと突入してゆく。
さらに、このふたりを追つて杉酒屋の娘・三輪がやつてくる。三輪と求女は隣同士、実はすでに深い仲である。その求女を横からかつさらつていかうとは、納得いかぬと屋敷の中に踏み込まうとは思へども、でもそこは立派な屋敷、自分はただの町娘、気が退ける。
そこへ屋敷の女中たちがやつてきて、さんざんに三輪をからかひ、「婚儀の席につれていつてやる」とだまして恥をかかせ、去つてゆく。
ここに三輪は怒り狂ひ、疑着の相をあらはして、中に踏んごまうとするが、藤原鎌足の家来にいきなり殺されてしまふ。
蘇我入鹿を倒すには、爪黒の鹿の生き血と疑着の相の女の生き血が必要だ、と云はれて。
そして、この時はじめて三輪は求女は鎌足の子・淡海だと知らされる。
「あつぱれ公家の北の方」などと云はれ、また「来世では一緒に」と云ひながら、「一目会ひたい」でも「もう目が見えぬ」と三輪は死んでゆく。

納得いくだらうか。
とてもぢやあないが、納得できない。

そもそも「疑着の相」とはなんだらうか。
怨念の凝り固まつた表情、と、筋書などには記されてゐる。

そんなん、たれにでもあるんちやふのん。
お三輪ちやんだけなぜどうして。

さうも思ふが見るたびに、毎回思ふこともある。
「ああ、どんなに嫉妬に狂つても、疑着の相を持ち得る人と持ち得ない人がゐるんだ」と。
お三輪ちゃんはやはり特別な存在で、だからこそ、求女実ハ藤原淡海も近寄つてきたのではないか、と。
♯とはいへ、求女はやはり好きにはなれないがな。

でも見終はると忘れてしまふものらしい。
なんだかお三輪ちやんがあはれでな。なんでそんな目にあつてまで、求女さんがいいんだらう。
ほれたはれたは謎ばかりである。

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