えいごでしゃべらないとJr
「英語でしゃべらナイト」はそのあまりのgreedyさに時に見るのが苦痛であつた。次第に見なくなり、放映時間帯がかはつてからはほとんど見てゐない。
なにがgreedyつて、「英語を学ぶ=立身出世(あひかはらず表現が古くてすまぬ)」といふ考へがありありと見えるところがたまらなくさうだつた。人によつてはさうも感じなかつたこともあつたので、えうはゲスト出演者の為人が問題だつたんだらうとは思ふが、見てゐてあまりの卑しさにチャンネルを変へることも一度ならず。
今春、「英語でしゃべらナイト」は出演者一新とのこと。また、こども向けの「えいごでしゃべらないとJr」がはじまるといふ。
早速そのこども版を見てみた。
以下、番組の内容。
小林克也がしきつてゐる。小林克也を模したとおぼしいパペットも登場する。「ハッチポッチステーション」や「クインテット」のパペットと同じ人が作つてゐるのかな? NHKグッズ店で売られてゐたら買つてしまふかも。
今回はまづオーストラリアでの取材からはじまる。オーストラリアのどこかの学校に行き、そこの生徒たちのやうすを写してゐる。そこの学校では昼食は外で食べるのだとか。
オーストラリアは日本から見ると地図上では反対側にあつて、だから季節が逆転してゐる。また東西は同じだけど南北が逆転してゐる。見える星座もことなる。
倶知安には冬になると夏休みを迎へたオーストラリア人がスキー旅行にやつてくる。これは以前どこかでも見た。オーストラリア人の中では口コミで倶知安のことが知れ渡つたのだとか。今回番組の中ではそこまで取り上げてゐなかつたけれども、さういふことらしい。
そして、倶知安ではさうした観光客と触れ合ふ機会の多いこどもたちに英語を教へたりしてゐるらしい。番組では放課後だらう学校で教へてゐるやうすを写してゐた。
家がペンションを経営してゐるといふ女の子がfeatureされる。冬になると宿泊客の中にはオーストラリア人が多いといふ。女の子は「挨拶だけはする、だつてなにも挨拶しないのとか、ヤだもん」、みたやうなことを語る。実際はほんたうに挨拶くらゐしかできない。「Hello」といはれて「Hello」とかへし、名前を聞かれて「My name is ...」とかへす。ここまではいいが、相手の名前は聞き取れないやうだ(最初の人はAnthonyと名乗つてゐた)。その後も「外は寒さうだね」とか「雪がすごいね」と語りかけられても、なにもこたへられない。
また別の客がやつてきて話しはじめる。年を聞かれて10歳であることを伝へることはできるが、「My daughter is 9.」と云はれるともう対応できない。客が絵を描いて説明し、女の子が「近い」とつぶやくと、「Yes, same age, almost.」などとこたへてゐたから、あるていどは日本語のできるものらしい。
最後、オーストラリア人の女の人とチリ人の男の人と、女の子はやはり話せなくて、突然絵を描き始める。最初に女の人、次に男の人。すると、男の人が「beautifulつて日本語でなんといふのか」、と訊く。女の子は一生懸命「うつくしい」といふのだと教へる。男の人も女の人も、女の子の書いた絵をさして「うつくしい」といふ。
最後に小林克也が英語を喋る上で大事なのはきもち、わかりあひたいといふ心であるといふやうなまとめをする。
どこまで作り込まれてゐるのかわからないが、十歳前後の女の子がなにか話したいのに話せない、そこには照れや恥づかしいといつたきもちもあるのだらうが、でもなんとかしたいがなにをすればいいのかわからないといつたstrugglingな姿を見てゐると、なんだかぐつとせまるものがある。そこには英語でしゃべらナイトのゲスト出演者たちに感じた卑しい感じはない。英語を覚えて「キャリアアップ(ヤな表現だねえ)」といつたgreedyさはない。
放映時間の関係で今後は見られないものと思ふが、「大事なのはきもち」「わかりあひたいといふ心」といふのはいいんぢやないかな。番組紹介など見ると、番組の中ではほとんど英語は使はないやうすである。
英語に限らず学問でもなんでも「わかりたいと思ふきもち」が大事なんだらうし。
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そうですね、やはり「わかりたいと思ふきもち」ですね……。
もしくは「伝えたいと思ふきもち」かしら。
話しかけられたものの何を言ったものやら悩んで黙り込んでいたら、全然通じてないと思われて、同行者に「bookって日本語で何て言うのか」と訊かれるようではてんでダメですね……。
……いやいくらなんでも「book」位はわかるんすよ……。
どうやら私にはきもちが欠けています……。
Posted by: Riko | Thursday, 05 April 2007 00:56
きもちはいつも欠けています雅亮です。
なんかね、「いいの、もうわかってくれなくてもっっ」てな気分になることが多いんですよ。
でもそれじゃあいけないのねー、と、思わないでもないのですが。
と、書くということはやっぱり思ってないんですかね。むむ。
Posted by: 雅亮 | Monday, 09 April 2007 02:08